1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60302094
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
貝塚 爽平 都立大, 理学部, 教授 (60086999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 時彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (70012896)
町田 洋 東京都立大学, 理学部, 教授 (10087009)
野上 道男 東京都立大学, 理学部, 教授 (50087144)
米倉 伸之 東京大学, 理学部, 助教授 (30011563)
太田 陽子 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (80017714)
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Keywords | 変動地形 / 地殻変動 / 海成段丘 / 河成段丘 / 活断層 / 隆起速度 / 対比地層 |
Research Abstract |
本総合研究所では、新しいあるいは従来より精度のよい地殻研究の方法を主として地形学的資料をもとにして追求し、また得られた成果を編集して地殻変動と山地地形との関係や地殻変動とプレート運動との関係などを考察してきた。 1.海成段丘による地殻変動研究では、ベンチ・ノッチおよび波食台の形態と相対的海面変化および地盤の傾動運動との関係を東北・関東の海岸で研究し、旧汀線の認定に関する新しい知見を得た。また、最終間氷期以降の垂直変動量をほぼ明らかにすることができた。 2.河成段丘による地殻変動研究では、日高山地,関東山地,赤石山地で研究し、間氷期と現在の河床高度差が海成段丘から得られる地盤上昇よりやや小さいこと、したがって河床高度差にある係数を乗じたものが真の隆起量になるという考えを得た。また、最終氷期とその前の氷期の河床高度差から地殻変動を知る方法が地域によっては有効なことが明らかにされた。 3.断層運動の研究では、音波探査による海底活断層の検出を三浦半島金田湾や東京湾で試み、その記録から断層運動を読取る方法を陸上活断層の発掘調査結果と併せて検討し、横ずれ運動に伴う地層の変形様式等を考察した。 4.山地に関する研究では、隆起速度を変動させたときのHRTダイアグラムのモデルを作成し、それらが木曽山地で得られた地殻変動様式と調和的であることを認め、HRTダイアグラムが地殻変動研究に役立つことを明らかにした。 5.山地地形と低地の対比地層との関連を関東山地と関東平野,九州山地と宮崎平野等で研究し、低地の地層から作成した地盤変動曲線が山地の隆起を推定するのに役立つことを明らかにした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yonekura,N.: Recent Progress of Natural Sciences in Japan(Quaternary Research). 11. 17-34 (1986)
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[Publications] 米倉伸之: 月刊地球. 8. 91-95 (1986)
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[Publications] Ikeda,Y.: Bull.Dept.Geogr.Univ.Tokyo. 18. 49-63 (1986)
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[Publications] 島崎邦彦: 活断層研究. No.2. 83-88 (1986)
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[Publications] 森山昭雄: 地理学評論. 60. 67-92 (1987)
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[Publications] Kaizuka,S.: Zeitschrift F【u!¨】r Geomorphology,Suppl.Bd.63. 61-73 (1987)
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[Publications] 貝塚爽平・鎮西清高.編: "日本の自然シリーズ2「日本の山」" 岩波書店, 259 (1986)