1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60302095
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
南方 陽 浜松医大, 医学部, 教授 (10107823)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 悠 名古屋大学, 理学部, 助教授 (20022626)
小畠 陽之助 北海道大学, 薬学部, 教授 (80028092)
須貝 新太郎 北海道大学, 理学部, 教授 (80000727)
和田 昭允 東京大学, 理学部, 教授 (10011462)
今井 宣久 名古屋大学, 理学部, 教授 (10022526)
|
Keywords | 静電力 / 蛋白質 / 高分子電解質 / 分子グラフィックス / 過渡現象 / β構造 |
Research Abstract |
昨年度に引続き各班員の研究を夫々独自に進展させると共に、研究成果の発表会を班会議の形式で行った。会議は昨年10月14,15日、名大理学部に於て、関連分野から5件の招待講演を含めて行った。参加者は40名を越えた。このうちの大半はその後の生物物理学会で発表された。 1.大型計算機による蛋白質内外の電場,電位の計算や高分子電解質についての同様の計算について更に進展が見られ、フェレドキシン等の球状蛋白質について周囲の溶媒,低分子イオンも考慮した解が得られた。また高分子電解質の解離がその局所構造を考慮した解析を必要とする例が次々と分かり、高分子電解質論のより精密化が今後の重要なテーマである事を明らかにした。分子グラフィックスの分野でも、電解質論と密着したテーマが積極的に取上げられるようになり、手法も多様化した。 2.生体高分子の電気複屈折や誘電緩和等の過渡現象についても種々の実験結果が発表された。特に交流電気複屈折の測定は高分子イオンの回転及びイオン分極緩和の分離、同定に有力な手法であることが明らかになった。また細胞のモデル系であるマイクロカプセルの誘電緩和についての詳細な実験結果も報告された。これら過渡現象の非線型応答について精密な理論的取扱いの例が報告され、より厳密な理論的解釈がなされるようになった。 3.ポリペプチドの溶液内でのβ構造については従来実験的には難解な課題であったが、溶液内での他の構造との平衡についての研究が集大成され、相図が得られると共に、熱力学的諸量も決定された。 4.高分子イオンの解離平衡を簡潔な形に定式化できるか否かについて、夫々理論,実験両面からの報告がなされた。 5.夫々の研究テーマの基礎となる高分子溶液論に内在する不完全さについての厳しい指適もなされた。
|
-
[Publications] Takuhiro Nishio: Reports on Progress in Polymer physics in Japan. 28. 29-32 (1985)
-
[Publications] Toshio Shimizu: Journal of Polymer Science,A2. 23. 1139-1144 (1985)
-
[Publications] Shintaro Sugai: Advances in Colloid and Interface Science. 24. 247-282 (1986)
-
[Publications] Shintaro Sugai: Makromol.Chem.,Rapid Commun.7. 47-51 (1986)
-
[Publications] Toshiaki Kitano: Macromolecules. 20. (1987)
-
[Publications] Toshiaki Kitano: Macromolecules. 20. (1987)