1986 Fiscal Year Annual Research Report
マメ科植物の共生的窒素固定および同化産物蓄積に関する研究
Project/Area Number |
60303022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊沢 喜久雄 東大, 農学部, 教授 (00011825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 毅 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80024553)
南沢 究 茨城大学, 農学部, 助手 (70167667)
河合 成直 岩手大学, 農学部, 助手 (80161264)
大山 卓爾 新潟大学, 農学部, 助教授 (30152268)
有馬 泰紘 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90011973)
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Keywords | 窒素固定 / 化合態窒素ストレス / 硝酸吸収 / cyclitol / ダイズ根粒菌 / 【^(15)N】自然存在比 / カルシウム栄養 / リゾビトキシン |
Research Abstract |
落花生のδ【^(15)N】値を測定したところ、ダイズ等窒素固定作物とは異なり、地上部のδ【^(15)N】値が高い傾向がみられた。この現象は、ウレイド産生植物,アマイド産生植物の相異から生ずるものと考えられた。ダイズ,インゲンの根粒窒素固定能に対する化合態窒素施用の影響を比較し、インゲンではいわゆる化合態窒素ストレスがダイズよりも激しく発現することが、アセチレン還元能・根粒重において認められた。次に培養液硝酸濃度のダイズの窒素の吸収と集積に及ぼす影響を調べたところ、培養液濃度25,50,100ppm区の硝酸吸収速度に差は認められなかった。窒素の器官分布を見ると、高濃度窒素区では葉の蛋白及び茎の可溶性窒素に上昇傾向が認められた。落花生の根圏と結実圏とを隔離し、【NH_4】【^(15)N】【O_3】を与え、結実圏にカルシウムを供給する区としない区を設けて裁培した。【^(15)N】濃度,乾物重あたりのexcess【^(15)N】量,1莢あたりのexcess【^(15)N】量ともに莢ではカルシウム欠除区の方がやや高かったが、種子ではカルシウムを供給した区が欠除区の2倍以上の値を示した。この結果から、結実圏にカルシウムが不足すると莢には【^(15)N】がとりこまれるが種子へのとりこみが著しく妨げられることが明らかになった。ダイズの根粒の窒素固定に対する環状炭水化物(cyclitol)の経根投与の効果を検討した。myoinositol投与区においては、17日後に根粒重のみの促進が見られたが、glucose投与区においては、一時的に窒素固定能の増加が見られた。これは、吸収されたcyclitolが根粒形成に機能し、エネルギーとならないことを示唆していた。ダイズ根粒菌40株-11の血清型を含む-を対象とし、根粒のセリノール含量,【Hup^+】型,リゾビトキシン生産能を調べたところ、0.6μprol/g以上のセリノール含量を示す菌株は全て【Hup^-】型であり、それ以下のものの大部分は【Hup^+】型であった。【Hup^+】型でセリノール集積タイプ菌株の約4割がリゾビトキシンを生産した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Goto,S.Inanaga and K.Kumazawa: Soil Science and Plant Nutrition.
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[Publications] T.Horiguchi: Plant and Cell Physiology.