1986 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学的手法を利用したカイコへのDNA導入技術の開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
60304025
|
Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
前川 秀彰 予研, その他, 研究員 (60100096)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 文吾 九州大学, 農学部, 教授 (30038161)
小林 正彦 東京大学, 農学部, 助手 (30012032)
楠田 潤 国立予防衛生研究所, ウイルスリケッチア部, 研究員 (20132722)
富野 士良 東京都立大学, 理学部, 教授 (30101075)
鈴木 義昭 国立基礎生物学研究所, 細胞分化, 教授 (50132733)
|
Keywords | カイコ / DNA導入 / 多重遺伝子 / 核多角体ウイルス / フィブロイン / 体液タンパク / コリオン / XDH |
Research Abstract |
前年度に引きつづき実験を行った。1.注入品種については昨年カンボージュを選定して実験を行ったが、注入卵の生存率が低く日照条件による非休眠卵調製に変更した(蜷木,坂口)。 2.注入装置は再度改良が加えられ、位相差倒立顕微鏡に微分干渉装置を設置し1plから注入できるようになった。産下後6〜8hrに注入したプラスミッドは48hr後に胚中に検出され、産化後24hrに注入したHRPは48hr後に胚体に取り込まれていた(前川,蜷木)。また生殖細胞の移植実験を行ったところ最高10%が注入されたものがあったので、導入系として効果的方法と思われる(小林)。 3.ショウジョウバエのキサンチン脱水素酵素の遺伝子と核多角体ウイルスに組み込んだものが得られたが、感染後発現しなかった。これは一部が欠損していたためと思われる(前田,田村,前川)。また有用遺伝子としてテン蚕のフィブロイン遺伝子の塩基配列を決定したところ上流部分でかなりの相同性が認められた(田村)。クワ蚕のフィブロイン遺伝子については、カイコと一部異なるものの同じであると考えられた(楠田)。さらにコリオン遺伝子についてはクワコのものが単離でき、カイコと比較したところイントロンの部分が異るが配列は保存されていた(坂口)。4.導入用ベクターは核多角体病ウイルスは7kbの断片を効率的に取り込まないため別のウイルスを検討中である(前田)。カイコ多重遺伝子族(BMC)についてはその全体構造が決定され他の遺伝子の組み込みに利用できる段階に入った。またrDNAも検討中である(藤原,前川)。コリオンについてもベクターとしての利用も考えている(坂口)。5.フィブロイン遺伝子と特異的に発現する因子が見い出されその一部が調節領域に結合していることが明らかとなった(鈴木)。30Kについてはin vitroの転写系を利用できるようになった(富野)。またテン蚕のフィブロインはカイコのin vitroの系で転写された(田村,鈴木)。
|
Research Products
(22 results)
-
[Publications] S.Izumi: J.Lipid.Res.
-
[Publications] M.Tsuda: Molecular and cellular biology.6. 3928-3933 (1986)
-
[Publications] Y.Suzuki: Proc.Natl.Acad.Sci.USA.83. 9522-9526 (1986)
-
[Publications] j.kusuda: Mol.Gen.Genet.203. 359-364 (1986)
-
[Publications] S.Ikegami: Agric.Biol.Chem.50. 3221-3223 (1986)
-
[Publications] B.Sakaguchi: Zoological Science. 3. 1100 (1986)
-
[Publications] 神田俊夫,田村俊樹,井上元,大槻良規: 日蚕雑. 55. 504-509 (1986)
-
[Publications] Y.Hamada,O.Yamashita Y.Suzuki.: Cell Differentiation.20. 65-76 (1987)
-
[Publications] Y.Suzuki,M.Tsuda,S.Hirose S.Takiya.: Adv.Biophys.21. 205-215 (1986)
-
[Publications] H.Fujiwara H.Isikawa.: NUcl.Acids Res.14. 6393-9401 (1986)
-
[Publications] H.Okamoto,Y.Hiromi,E.Ishikawa,T.Yamada,K.Isoda,H.Maekawa Y.Hotta.: EMBO J.5. 589-596 (1986)
-
[Publications] H.Fujiwara,H.Maekawa,O.Ninaki,N.Takada,N.Miyajima H.Ishikawa.: Comp.Biochem.Physiol.
-
[Publications] H.Fujiwara H.Ishikawa: Nucl.Acids Res.(1987)
-
[Publications] H.Bando,J.Kusuda S.Kawase.: Arch.Virol.93. 139 (1987)
-
[Publications] M.Fitz-Earle B.Sakaguchi.: Japanese Journal of Genetics.61. 447-460 (1986)
-
[Publications] A.Saito,K.Koga B.Sakaguchi.: Agric.Biol.Chem.50. 2425-2426 (1986)
-
[Publications] 坂口文吾,盧時甲,菅原和宣,古賀克巳,川端勉,荒武義信,M.R.Goldmith.: 九州蚕糸. 17. 59 (1986)
-
[Publications] 中島裕美子,盧時甲,古賀克巳,坂口文吾,楠田潤,N.Spoerel,F.C.Kafatos: 遺伝学雑誌. 61. 602 (1986)
-
[Publications] 坂口文吾,盧時甲,古賀克巳,G.D.Mazur: 遺伝学雑誌. 61. 611 (1986)
-
[Publications] Y.Eguthi,Y.Furuta O.Ninaki.: J.Seric.Sci.Jpn.55. 177-178 (1986)
-
[Publications] H.Fujiwara: "Contemporary Themes in Biochemistry ICSU short report.6" O.L.Kon et al., 178-179 (1986)
-
[Publications] O.Ninaki: "Invertebrate Cell Systems in Applications" J.Mitsuhashi,