1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60304054
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
野見山 一生 自治医大, 医学部, 教授 (80048967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家森 幸男 島根医科大学, 医学部, 教授 (80025600)
徳永 力雄 関西医科大学, 医学部, 教授 (40121959)
糸川 嘉則 京都大学, 医学部, 教授 (80025593)
和田 攻 東京大学, 医学部, 教授 (60009933)
木村 修一 東北大学, 農学部, 教授 (70005586)
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Keywords | 微量元素 / 生体内動態 / チタニウム / クロム / ベリリウム / 銅 / 亜鉛 / カルシウム |
Research Abstract |
1.研究班会議を昭和61年7月31日に北九州市で開催し、所期の目的を達成するための意見交換を行ない、多元素分析などの必要に応じ、共同研究チームを編成した。 2.今年度の研究成果は次の通りであった。1)致死量の1/5量の金,銀,プラチナ,セレン,ヒ素を静脈内投与したラットで、肝,腎の微量元素の撹乱が観察された(野見山)。2)種々の化学形のチタニウムを投与した動物の病態と微量元素の生体内動態について研究した(木村)。3)有機クロム投与によりコレステロールの低下傾向を認めた。また、生体内ニッケル特異結合物質(分子量800)の存在を明らかにした(和田)。4)ベリリウム投与動物の免疫応答と微量元素の生体内動態との関連について研究した(島)。5)タイ国東北地区農村住民850名の血中ビタミン【B_1】,血漿鉄,亜鉛,マグネシウム,カルシウムの間には正の相関が認められた。特にマグネシウムとの相関が強かった(糸川)。6)カドミウム汚染地域住民38名、対照地域住民21名の遺体臓器の微量元素を測定した。心,大動脈についてみると、汚染地域住民で亜鉛,銅濃度が低いことが注目される結果であった(能川)。7)鉛中毒時のヘム合成低下と亜鉛プロトポルフイリン増加の機序を研究し、鉛はミトコンドリア呼吸鎖内の鉄の還元を阻害しヘム生成を低下させたが、亜鉛プロトポルフイリンの生成に影響のないことを見出した(徳永)。8)必須元素の生体内含量による有害元素の毒性修飾のおこることを見出した(吉川)。9)脳卒中易発症の血圧に対するカルシウムの影響について検討し、充分な蛋白を投与したラットではカルシウムの降圧作用のみられることを明らかにした(家森)。10)メンケス症マウスにおける各種微量元素の生体内動態について研究した(西村)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Takeuchi;K.Nishino;Y.Itokawa: Biochimica et Biophysica Acta. 872. 24-32 (1986)
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[Publications] T.Itokawa: Magnesium. 6. 48-54 (1987)
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[Publications] S.Taketani;A.Tanaka-〓;Yoshioka;R.Masaki;Y.Tashiro;R.Tokunaga: Biochim Biophysica Acta. 883. 277-283 (1986)
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[Publications] H.Kohno;S.Taketani;R.Tokunaga: Cell Struct.Funct.11. 181-190 (1986)
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[Publications] T.Abe and O.Wada: Cancer Research.
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[Publications] A.Yamamoto and O.Wada: Inorganic Chemistry.