1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60304068
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮崎 逸夫 金沢大, 医学部, 教授 (80019538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永川 宅和 金沢大学, 医療技術短大部, 教授 (50019600)
古味 信彦 徳島大学, 医学部, 教授 (60013877)
中山 文夫 九州大学, 医学部, 教授 (70038652)
佐藤 寿雄 東北大学, 医学部, 教授 (80004571)
小野 慶一 弘前大学, 医学部, 教授 (40003363)
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Keywords | 十二指腸乳頭部機能 / 胆膵相関 / 胆道内圧測定法 / 消化管ホルモン / 乳頭炎乳頭狭窄 / 胆道拡張症 / 急性膵炎 |
Research Abstract |
本研究は(1)十二指腸乳頭部機能を判定する測定法の統一と相互関係、(2)十二指腸乳頭部機能と胆汁膵液分泌機序、(3)十二指腸乳頭部機能障害と胆膵疾患との相関を基礎,臨床の両分野から明らかにすることを目的としてはじめられた。昨年度は胆道内圧測定法の現状,十二指腸乳頭部機能と胆道膵管の形態学的な相関,十二指腸乳頭部括約筋運動の調節機構についてある程度の成果をまとめることができたが、今年度は各種胆道内圧測定法の相互関係をさらに追求し、十二指腸乳頭部機能と胆汁膵液分泌機序や十二指腸機能障害と胆膵疾患との相関などについて明らかにしようとした。研究分担者は昨年と今年度の課題について追求し、その成果の研究討論会を昨年6月と12月の2回にわたって行った。研究討論の第一は胆道内圧測定法についての個々の測定法の違い、それらの特性、相互のデータの照らし合わせ方などであり、かなりの部分で深い討論が行われた。大きく分けて3種の方法が試みられているが、これらの特性については相互間にある程度の理解が得られた。しかし、相互のデータの交換については今後更なる研究期間が必要であることが明らかにされた。一方、消化管ホルモンの胆のう乳頭部運動機能に及ぼす影響が討論され、とくに消化管ホルモンであるプロスタングランディン,セルレイン,セロトニンなどの作用が明らかとなった。乳頭炎,乳頭部狭窄における乳頭機能について、実験,臨床の面からその研究成果が討論され、とくに乳頭炎のなかでは可逆性となる部分は多いが、不可逆性の変化を示してしまうものもあり、また乳頭機能不全の状態は乳頭炎の終末像とも考えられ、今後の問題点として残った。各種病態下における乳頭機能と胆膵相関については、とくに胆管拡張症と急性膵炎の問題が討議され、とくにその外科的治療法の選択について乳頭部の機能が関与しているとの結論をえた。
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