1986 Fiscal Year Annual Research Report
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60304099
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森本 英樹 阪大, 基礎工学部, 助教授 (20029474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 清博 大阪大学, 医学部, 講師 (50028528)
北川 禎三 分子科学研究所, 教授 (40029955)
郷 信広 九州大学, 理学部, 助教授 (50011549)
小西 康子 北里大学, 医学部, 助手 (80129238)
梶田 昭彦 獨協医科大学, 教授 (80049113)
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Keywords | ヘモグロビン / アロステリック / 2状態モデル / 混成ヘモグロビン / ボーアグループ / ラマン分光 / 立体構造エネルギー / 遺伝子操作 |
Research Abstract |
1.今年度も勉強会をおこなった。2.状態モデルが一般に受け入れられる根拠となった実験データの解析をした総説である。"allosteric interpretation of haemoglobin properties"(R,G,Schilman et.al.Quart.Rev.Biophys,8,325〜420(1975))を下敷にして、過去のデータを現時点でみなおす作業をおこなった。当時、2状態モデルで表現される典型的例と考えられていたシアン原子価混成ヘモグロビンまでも、その後のデータからみるとかならずしも2状態モデルとあっていないこと等が確認された。 2.励起光に紫外光を使ったラマン分光装置が動きだした。 3.ミオグロビンへ立体構造エネルギー関数法を適用し、規準振動解析をおこなった。これは、ヘモグロビンへの適用の準備段階である。 4.遺伝子操作技術を使って、一次構造上の任意の位置のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したヘモグロビンを大腸菌に作らせる技術を導入し、更に改良する仕事が始まった。 5.重水素置換法によって新たにボーアグループとして提案されたα89Hisについて相互作用の相手と考えられたβ139Lysは、これがThrに置換した異常ヘモグロビンのボーア効果が正常だったので、少なくとも相互作用の相手であることは否定された。 6.原子価混成ヘモグロビンにおいて、【O_2】結合にともなう紫外部の吸光スペクトルの変化とデオキシ状態の【O_2】親和性が密接に関係していることがわかった。7.シマミミズの巨大ヘモグロビン(分子量 約3×【10^6】)においては、2状態モデルが適用可態であり、【Ca^(++)】がエフェクターとなることがわかった。 8.Ni-Fe混成ヘモグロビンの研究が更に進展した。 9.重水素置換法とNMRの協力によってNMRシグナルの個々のHisへの寄属をきめる仕事は進展しなかった。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 五十嵐吉彦: 獨協医学会誌. 2. 31-37 (1986)
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[Publications] Nobuhiro G【o!-】: Macromolecules. 19. 2054-2058 (1986)
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[Publications] Y.Kobayashi: Peptide Chemistry. 1985. 259-264 (1986)
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[Publications] T.Ohkubo: Biopolymers. 25. 123S-134S (1986)
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[Publications] Hiroshi Wako: J.Comp.Chem.(1986)
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[Publications] H.Mizuno: Biophysical Chemistry. 25. 73-90 (1986)
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[Publications] 郷信広: パリティー. 1. 22-30 (1986)
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[Publications] 今井清博: 日本生理学雑誌. (1987)
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[Publications] N.Shibayama: J.Mol.Biol.192. 323-329 (1986)
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[Publications] N.Shibayama: J.Mol.Biol.192. 331-336 (1986)
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[Publications] 五十嵐吉彦: "Calcium dependent allosteric modulation and assembly of the giant hemoglobin from the earthworm,Eisenia foetida,in "Invertebrate Oxygen Carriers"" B.Linzen,SpringerーVerlag, 521 (1986)
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[Publications] 郷信広: "生物物理学の展開" 創造, 172 (1986)
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[Publications] Nobuhiro G【o!ー】: "Computer Analysis for Life Science" 【O!ー】hmsha,Ltd., 315 (1986)
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[Publications] 北川禎三: "生命科学の新しい展開" 宮澤辰雄, (1987)