1985 Fiscal Year Annual Research Report
太平洋圏における島嶼地域の自立化と国際協力に関する学際的考察
Project/Area Number |
60400011
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
比嘉 政夫 琉球大学, 短大, 教授 (10045198)
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Keywords | 国際交流 / 国際協力 / 政治文化 / 文化変容 / 都市化と文化的背景 / 相互依存 / 国際環境 |
Research Abstract |
本年度については、下記のような研究活動を行なった。 1. 上記課題についての関連文献を調査、収集した。とりわけ太平洋圏の学術雑誌や大型コレクションの購入に重点を置き、しかも特定の専門分野に偏らず全体を網羅している多くの研究者が利用可能な文献を最優先した。その他に、この地域のいろいろの地図なども基礎資料として購入し、当初計画をほぼ達成した。 2. 1ヶ月に1回の割合で研究会を開催し、各研究分担者の個別研究の発表と意見交換、さらに文献の調査や収集に関しても情報交換を行なった。 (1) 島嶼の自然的分類について-島の自然環境は、大観すると気候と土地との二条件から成り立つと考えられる。研究組織全体の共通認識として、島に関する様々な定義と分類について検討した。 (2) 太平洋島嶼地域における経済の現状分析-南太平洋会議(SPC)加盟国(地域)が直面している経済的諸問題を明らかにし、かつ、「島嶼輸出経済」の崩壊モデルを提示し、崩壊を防ぐための戦略と島嶼経済の自立に向けての国際協力のあり方を検討した。 (3) 急速な近代化のインパクトによって生じた文化変容-今世紀における近代化のインパクトは、物質文明に対する好奇心と欲望を刺激し、欲求充足のために市街地近隣の村落から徐々に市街地へ向けての人口移動が始まる。これは伝統的な社会秩序を崩壊させ社会不安をひきおこす要因ともなっている。近代化によって生じた様々な文化変容について検討した。 なお、研究の具体化と総括は、来年度以降に実施する。
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