1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60410001
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
辻 茂 東京芸術大学, 美, 教授 (20015225)
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Keywords | 技法史 / 制作技術 / 美術技法史 |
Research Abstract |
当初の研究計画にもとづき、次の作業と研究を行った。 1.西洋美術技法史に関する諸文献の収集を行い、予定額の範囲での資料の入手を終えた。 2.ワードプロセッサーを構入し、それへのデータの入力による文献目録編集の作業を開始した。 3.文献目録に加えるべきコメントの作成を行った。 4.技法史にかかわる特定の課題として、彩色、遠近法を取り上げ、その研究に着手した。 以上の作業は、いずれも、2年後には一つの成果として報告書にまとめるべく、現在も続行中である。 とくに第1項の文献収集に関して言えば、このテーマに関し収集すべき資料というのは、実際にはたいへん夛く存在するので、収集に当っては、一つあるいはいくつかの特定の観点からの集中的方法が望まれる。そのために選んだのは、まず、同時代原史料の収集であり、比較的時代の遡るものから重点的に収集を行った。中世の史料とその研究を夛く扱っている"Speculum"、17-18世紀の史料として、ミンコフ刊行のファクシミル叢書などが、今年の収集になる主要部分の例である。 第1項以外のほかさらに第2・第3の項目を通して今後の問題として残されているのは、この技法史というテーマを、他の伝記、株式史・図係学などの美術史研究との関連においていかに定義するか。言いかえれば、それらの視角をいかに包摂し、あるいは峻別することによってそれを構成するかの問題であるが、それについての見透しは、上述の文献目録の編纂を通しそれと一体の関係で進められている。
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