1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60420003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 幸男 名古屋大学, 理, 教授 (60022498)
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Keywords | サブミリ波天文学 / 銀河中心 / サブミリ波検出器 / 帯域フィルター / ボロメーター / 電波望遠鏡 / フィルター |
Research Abstract |
次に示す経過により、1mm波會における観測が野辺山の45m鏡を用いて行われ、研究の実行可能性を実証することができた。 1.鏡面反射率の測定。野辺山宇宙電波観測所と相談の結果、45m鏡を使うこととし、新調鏡面の標本について1mm會における反射率を測定した。反射率は90%以上で、使用可能性が確認された。 2.観測方法の調査。8月下旬に野辺山を視察し、測光器の設置位置を決めた。これに従って観測に必要な架台等を製作した。 3.試験観測【I】.測光フィルターを製作し、野辺山で大気透過率等の環境條件を測った。この結果は、最短波長による観測成功と、NROニュースに速報された。但し、焦点のぼけが見出された。 4.試驗観測【II】.太陽を用いてビームパタンを測定したが、4分角も広がっており、明るい惑星さえ観測できなかった。そこで2,3mm會のフィルターを製作し、集光器の開口を拡げ、最悪の場合にも観測データが得られるように準備を進めた。 5.共同利用観測。3月上旬に正式の観測時間が配分された。副鏡を調整した結果、4分角に広がったビームの中央に約30秒角のビームが得られた。これは口径10mの鏡を用いる場合と同等であることを意味する。これによって火星と木星を観測して、ビームパタンの確認と強度較正を行った。さらに銀河中心にあるSgr B2を観測して強度分布を求めた。パロマの大望遠鏡を用いて得られた強度の山が実は2個の山に分離されることがわかった。試驗観測までを目標にした本年度内に科学的成果まで得られたが、所期の成果を得るには主鏡面の改良が必要である。これを待って1986年秋以降に観測を再開する。 6.【^3He】冷却系.檢出装置とロックインアンプは購入手続の複雑化のために入荷がおくれた。3月後半にこれらのテストを開始し、来年度以降の観測に備える。
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