1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60420005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須田 英博 東京大学, 宇線研, 助教授 (30011555)
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Keywords | 大統一理論 / 核子崩壊 / 中性子-反中性子振動 / モノポール / Cyg・X-3 / 大陽ニュートリノ / ニュートリノ |
Research Abstract |
3キロトン水チェレンコフ光検出器による神岡地下での核子崩壊の実験は、これまでに有効1.11キロトン年分の解析が終り以下の結果を得ている。 核子崩壊の寿命(t/b)の下限値: 代表的崩壊モードにつき【10^(31)】年単位で示すと、P→【e^+】【π^0】(>8.4),【e^+】【K^0】(>4.9),【M^+】【π^0】(>6.2),【M^+】【K^0】(>2.4),【~!v】【K^+】(【>!_】4.2),n→【e^+】【π^-】(>3.4),【M^+】【π^-】(>2.7),【~!v】【π^0】(>4.0),【~!v】【K^0】(【>!_】2.3)。 これらの値は標準的SU(5)理論が予言する寿命より長く、理論は何らかの修正をしなければならない。一方核子崩壊現象の候補が4例観測しており、そのモードは【◯!1】【M^+】η(又は【e^+】ζ),【◯!2】【e^+】ω(又は【e^+】【K^(*0)】又は【e^+】ζ),【◯!3】【M^+】【ζ^-】,【◯!4】【M^+】【K^0】である。このうち【◯!1】は宇宙線バックグランドの可能性が非常に小さいが運動のバランスが369±71MeJ/Cと良くない。【◯!2】-【◯!4】はニュートリノ反応である可能性を無視できず、残音ながらいずれも決定的確証を得るには到っていない。 中性子-反中性子振動:水に含まれる【^(16)O】中でのn-【n!~】振動現象を探したがそのような事例は見つからず、【^(16)O】中でのn-【n!~】振動時間の下限は、4.3×【10^(31)】年(90%C,L)より長く、このことよりτn【n!~】>1.2×【10^8】secを得た。この値は現在世界中の実験の中で最も長い時間である。 モノポール存在量:検出器に直接入射するモノポールをルバコフ効果で複数回核子崩壊を起す現象を探した結果地球上でのモノポールのフラックスの上限値(90%C,L)として【F_M】<1.9×【10^(-15)】【cm^(-2)】,【sec^(-1)】【sr^(-1)】を得た。また太陽重力でトラップしていると考えられるモノポールが触媒効果で核子崩壊の結果生じる【(~!v)_M】を観測することで、【F_M】<1.0×【10^(-21)】【(β/10^(-3))^2】【cm^(-2)】【sec^(-1)】【Sr^-】 を得たこの値は中性子星のX線データーより推定したフラックスと略同じだが、はるかに直接的で信頼性がある。 Cyg・X-3よりのM;CygX-3星の方向から4.8時間周期で同期しているMがあるかどうかを調べたが米国SOUDANおよびイタリアNUSEXグループが報告していような事実は認められず、そのようなMの上限は2.2×【10^(-12)】【cm^(-2)】【sec^(-1)】(Eμ>760Gev)である。現在太陽ニュートリノの観測の準備実験にも開始している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Jounal of Phys.Soc.of Japan. 54-9. (1985)
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[Publications] Jounal of Phys.Soc.of Japan. 54-11. (1985)
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[Publications] Phys.Reu.Letters. 56-9. (1986)
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[Publications] Jounal of Phys Soc.of Japan. 55-3. (1986)