1985 Fiscal Year Annual Research Report
ZnSxSe∋ーツーサを用いた青色発光ダイオードの研究
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60420020
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
青木 昌治 東京理科大学, 工, 教授 (80010619)
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Keywords | 発光ダイオード / ワイドギャップ半導体 / 溶液成長 / よう素輸送法 / 液相エピタキシャル成長 / ホトルミネセンス / 混晶 |
Research Abstract |
Te溶媒からのZnSx【Se_(1-X)】混晶の成長を行った。0<x<1の広い組成範囲での成長を試みた結果、混晶の全組成で単結晶の作製が可能であることがわかった。しかし、Teに対するZnSとZnSeの溶解度がかなり異なるため(約1:6)、成長温度範囲を広くとり大きな単結晶を得ようとすると、組成が不均一になりやすい。そのため、成長温度範囲を狭くとらなければならず、得られる単結晶の大きさは小さく、数mm角程度の平板状である。しかし、この点は薄い層を成長させれば十分であるエピタキシャル成長ではそれ程問題にならないであろう。溶媒中に添加したZnS粉末とZnSe粉末との割合と実際に得られた結晶中での混晶比との対応関係を、本年度購入したX線マイクロアナライザ付の分析走査電子顕微鏡を用いて調べている。また、結晶中には溶媒として使用しているTeが数%存在しており、その含有量についての定量化を検討している。 得られた結晶の抵抗率は単独のZnSやZnSeと同じように高い。ZnSeのみの溶液から成長したものは光電導効果を示し、【10^3】Ω・cm程度に抵抗が下がる。いずれにしても、ZnSやZnSeの場合と同様なZn熱処理により低抵抗化ができるものと思われる。また、室温でのホトルミネセンスでは組成により青ないし緑色の明るい発光を呈しており、発光ダイオードの活性領域として十分な特性を持っているものと思われる。なお、【Zn_x】【Cd_(1-x)】S混晶についてもTe溶媒から成長させたものでは、CdSの含有量が20%以下で明るい青色の発光が観測されている。この混晶系についても応用が期待できる。 よう素輸送法によるZnS単結晶の作製も行っている。1〜2cm程度の大きさの結晶の塊が得られ、これより3〜5mm角の(111)面単結晶基板を得ることができた。このようにして得られたものを基板として、Te溶媒からの液相エピタキシャル成長の実験も進めている。
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