1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60420024
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉川 昌範 東京工業大学, 工, 助教授 (30016422)
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Keywords | 鉄合金 / ダイカスト / レーザ加工 |
Research Abstract |
ダイカスト法は生産性に優れ、かつ材料の分留まりが良いので省資源の加工法として適しているにもかかわらず、融点の高い鉄合金についてはいまだに実用化していない。この理由として、鉄合金の融点が高いので型およびスリーブの寿命に限界があることが考えられる。 本研究は鉄合金ダイカストの実用化を計るための基礎資料を得るコとを目的として、新しく開発したアルミナー炭素繊維複合材,室化ケイ素焼結体,炭化ケイ素焼結体の型材およびスリーブ材への適応性を検討し、またこれらの材料が難加工材であることからその加工方法についても検討を加え、融点の高い鉄合金にまでダイカスト法の適用範囲を広めることにある。 本年の研究では、新しく開発した材料の型材,スリーブ材としての適応性について検討した。従来これらの材料は気孔を有することが欠点とされているので、購入したNd,YAGレーザ装置によりレーザ光を材料表面に照射し、表面の気孔を消滅させかつ平滑化することを検討した。その結果、アルミナー炭素繊維複合材料と炭化ケイ素でレーザ照射の効果が認められた。 ついで、これら材料が硬脆材料であるところから、型,スリーブ材としての加工方法について若干検討した。加工用工具としてダイヤモンドバイトが最も適していると考えられるが、その成形は極めて困難であることから、基材を成形した後、気相法によりダイヤモンドを付着させた工具を作製し、その性能について調べた。その結果、工具として優れた切削作用を示したが、その寿命などについて検討が必要である。 以上の結果踏まえ、さらに検討を加えることにより鉄合金のダイカスト法の適用範囲を広めることができると考えられる。
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