1988 Fiscal Year Annual Research Report
乱流剥離領域の実験的構造解明、数値流体力学的シミュレーションおよびその制御
Project/Area Number |
60420026
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木谷 勝 北海道大学, 工学部, 教授 (50001160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 尚敬 北海道大学, 工学部, 助手 (80001254)
望月 修 北海道大学, 工学部, 助教授 (50157830)
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Keywords | 剥離流 / せん断層 / 乱流 / 剥離泡 / 非定常流 / 位相平均法 / 離散渦法 / 組織的渦構造 |
Research Abstract |
1.主流の中に制御された撹乱を導入することにより、2次元および3次元剥離領域内の組織的渦構造を制御し、これによる圧力変動、レイノルズ応力、逆流率の変化を明らかにした。2次元のときは、はく離線の変形および上流側においた円柱の後流が有効な制御法となる。また3次元のときは、はく離線から周期的な弱い噴流を与えることによって、組織的渦構造が強化されることがわかった。 2.乱流剥離泡内の組織的渦構造の運動・変形にもとづいて、剥離領域内の非定常性、圧力変動、レイノルズ応力の発生機構を明らかにすることができた。大規模渦が再付着領域に衝突するときに生ずる圧力変動が上流側に伝播して、はく離せん断層の巻き上りを強化するフィードバック機構が、剥離泡におけるかなり周期的な非定常性の原因であることが本研究結果から推測される。 3.3次元離散渦法によって渦の変形・合体などの相互作用に関する数値解析を行い、剥離領域における縦渦の発生および高周波の不規則速度変動成分の発生機構の一つを明らかにした。とくにエネルギースペクトルおよびエンストロフィーの時間発展が高周波速度成分の発生を明確に示し、既存の実験結果との対応もえられた。 4.これまでに開発した離散渦法と、回転円形翼列の前縁はく離領域に適用し、剥離の発生と揚程の変化との関係を明らかにした。流れの剥離に伴う非定常流れが大きな揚程変化を生じ、その平均値は低流量域において前縁はく離がないときよりもかえって増加することが示された。 5.渦糸と渦輪および渦輪の相互干渉を実験的に調べ、可視化法によって相互干渉の代表的パターンを得ることができた。 6.昭和60年度〜63年度の研究結果を総合し、実験手法、離散渦法による数値解析手法、乱流剥離領域の制御方法を求めることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 木谷勝: 水工学シリーズ. 88ーAー6. A.6.1-A.6.15 (1988)
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[Publications] 木谷勝: 日本機械学会論文集(B編). 55. (1989)
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[Publications] 田村尚敬: 日本流体力学会誌「ながれ」. 7. 144-148 (1988)
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[Publications] 木谷勝: 日本機械学会論文集(B編). 55. (1989)
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[Publications] M.KIYA: Proceedings of the XV11th Theoretical and Applied Mechanics,21-27 August 1988,Grenoble,France. (1989)
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[Publications] M.KIYA: Proceedings of US-JAPAN Seminar on Computational Fluid Dynamics,9-16 September 1988,Khabarovsk,USSR. (1989)