気泡を含む液流中における減速翼列の流れと性能

1986 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 60420027
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 大橋 秀雄 東大, 工学部, 教授 (90010678)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 正司 秀信 筑波大学, 構造工学系, 講師 (90126087) ; 照屋 功 東京大学, 工学部, 助手 (10188691) ; 市川 保正 東京大学, 工学部, 助手 (40134473) ; 川田 達雄 東京大学, 工学部, 助手 (00010851) ; 松本 洋一郎 東京大学, 工学部, 助教授 (60111473)
• Keywords: 気液二相流 / 減速翼列 / 回流水槽 / ボイド分布 / ポンプ / 数値流体力学 / ターボ機械 / 探針プローブ

Research Abstract

1.回流水槽の特性試験 60年度に製作された水・空気2成分系の回流水槽について、テストセクションにおける流速分布,圧力分布,ボイド率分布,気泡径分布などの基本特性を測定した。その結果、テストセクションに微小な縦渦が存在することがわかり、入口部の整流格子とメッシュの強化を行って改善を行った。
2.揚抗力モーメント測定用センサーの開発、翼に働く揚抗力とモーメントを測定するため、両端支持部に埋め込むストレンゲージ式センサーを設計し、製作した。続いて校正実験を行い、センサー特性値を決定した。
3.二相流中における単独翼の性能,NACA4412翼形(翼弦長50mmおよび100mm)を、流速1〜5m/s,ボイド率0〜13%,迎之角-3゜〜13゜の範囲で、種々の組合せ条件下で以下の測定を行った。
(1)圧力分布(翼面上19点の静圧分布を測定)
(2)流水場のボイド分布(写真測定によりボイドの空間分布を推定)
(3)揚抗力およびモーメント(センサー出力からの算定)
4.二相流中の揚力特性 圧力分布を積分して得られる揚力と、センサーから直接測定した揚力との間に若干の食違いがあり、引続き検討を要する。ボイド率の増加につれて、圧力分布は平滑化し、揚力係数が減少する傾向が明確に認められた。
5.数値シミュレーション 60年度に開発した計算スキームを、更に広いパラメータ範囲で安定なように改良し、計算を行った。しかし、実験条件と完全に一致するボイド率,マッハ数では、依然計算上問題があり、今後の検討に持ち越された。
6.ボイド率測定用探針プローブの開発 局所ボイド率測定用の探針プローブとその回路を設計・製作した。

Research Products

• [Publications] 松本洋一郎: 日本機械学会論文集.
• [Publications] 松本洋一郎: Journal of Fluids Engineering,American Society of Mechanical Engineers.
• [Publications] 大橋秀雄: "流体機械 SI・改訂版" 森北出版, 330 (1987)