1987 Fiscal Year Annual Research Report
希土類・鉄族多元素アモルファス薄膜の物性と応用に関する研究
Project/Area Number |
60420034
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内山 晋 名古屋大学, 工学部, 教授 (40023022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綱島 滋 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80023323)
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Keywords | アモルファス / 希土類 / 磁気光学効果 / 磁気ひずみ / 磁性薄膜 / ガトリニウム / ネオジム |
Research Abstract |
1.GdーFeアモルファス膜の磁気光学効果 GdーFe膜の磁気光学効果へのGdの寄与とFeの寄与を分離する目的で,GdーFe,YーFe,GdーCu,GdーNiの各アモルファス膜のカー回転角, カー楕円率のスペクトルを測定し, さらに反射率,透過率のスペクトルを用いて導電率テンソルのスペクトルを求めた. GdーCu,GdーNiは赤〜赤外領域でカー回転角θ_K,カー楕円率γ_Kとも小さく, この領域ではGdの磁気光学効果への寄与は小さいものと思われる. 一方YーFeでは, θ_Kは赤〜赤外で大きく, 可視〜紫外では小さい. しかしγ_Kは紫外にピークを持つ. この傾向はGdーFeにも見られる. 導電率テンソルの非対角成合の比較から,GdーFeのスペクトルは定性的にはGdーCu/GdーNiとYーFeのスペクトルの和とほぼ等しい. このことから上記測定によってGdーFeにおけるGdとFeの寄与が分離できたものと考える. 2.NdーCoアモルファス膜の磁気光学効果 磁気光学効果とバンド構造の関連を明らかにするため, 光電子分光法による電子状態密度測定とカー回転角スペクトルを比較した. θ_Kが4〜5eVの光において最大になるのに対して, 状態密度はフェルミレベルから約4.5eV下で4f電子によると思われるピークを示す. 従ってθ_Kのピークを生じさせているのは4f→5d電子遷移であると推定される. 3.Gdー鉄族アモルファス膜の磁気ひずみ Gdの磁気ひずみへの寄与を求めるため, GdーCu膜の磁気ひずみを80kで測定した. この温度で大きな磁化を持つGdの多い組成の膜では,正のかなり大きい磁気ひずみを観測した. このことはGdー鉄族アモルファス膜において, Gdは磁気ひずみに正の寄与をすることを示している.
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