1985 Fiscal Year Annual Research Report
粘性土地盤上の盛土構造物の地震時安定性に関する研究
Project/Area Number |
60420038
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中瀬 明男 東京工業大学, 工, 教授 (10016686)
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Keywords | 盛土 / 地震時安定性 / 非排水せん断強度 / 模型実験 / 相似則 |
Research Abstract |
軟弱な地盤上の盛土構造物の地震時安定性に関し遠心力載荷装置を用いて昭和61年度、62年度に予定している模型実験の研究計画遂行のため、地盤条件についての基礎資料を整えると共に模型実験の相似性ならびに、遠心装置に登載する起震装置、地盤の振動応答を検出する加速度計の仕様について検討した。 先づ模型実験で想定する地盤の力学特性について、日本近海で発生した地震による土構造物の震害事例を収集し基礎地盤と土構造物の被災の関係を解析した。その結果、沖積地盤で代表される軟弱地盤は単に深さとともに非評水せん断強度が増大するのではなく、表層はかなり大きな強度を有することが多くの事例で指摘された。このため、このような表層部を有する地盤の支持力特性を明らかにする必要を痛感し、遠心力載荷装置を用いて静的な載荷試験によって調べた(中瀬、斎藤、竹村)。また遠心力場内で実施する模型実験の相似律に関し詳細な検討を加え、これまでの重力場に於ける種々の実験は何れも実物に対し相似性を満足しておらず、その結果の適用には自ずから限界のあることならびに遠心力載荷試験による模型実験では使用する遠心加速度Nとすると実地震波の周波数をN部、振動継続時間は1/【N^2】とすることが明らかとなった(木村、斎藤、竹村)。したがって、このような振動仕様を満足する装置として、油圧・電気サーボシステムによる起震装置を設計、製作した(木村、斎藤、竹村)。 さらに模型地盤の振動応答を検出する加速度計に関し、圧電素子を用いた機種は出力特性には優れているが、ノイズの発生が避け難く、従来の半導体素子による小型加速度計の試作に見通しをたてた。
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