1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60420039
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀川 清司 東京大学, 工, 教授 (10010571)
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Keywords | 漂砂 / 不規則波 / 海浜過程 |
Research Abstract |
1.一様勾配斜面を基本とした初期地形に、種々のスペクトル特性を有する不規則波を作用させ、海浜地形の経時変化を測定した。各時間ステップの地形変化量よりnetの岸沖漂砂量分布を算出し、底面流速の計測データを規則波における局所漂砂量公式に代入して求めた岸沖漂砂量分布と比較した。その結果両者は、砕波点近傍および砕波帯内で戻り流れの強い領域を除いては良好な一致を示すことがわかった。 2.砕波点近傍および戻り流れの強い領域での流速場の特性を把握するために、固定床・規則波実験を行なった。実験には2成分レーザー・ドプラー流速計を用い、乱れ成分を含めて岸沖・鉛直の2成分流速の同時計測を行なった。その結果、砕波点近傍に形成される大規模な水平渦の特性を把握するとともに、surface rollerが発達している領域では、渦動粘性係数が鉛直方向に一定であると仮定することにより、定常流の鉛直分布を評価できることを示した。 3.不規則波浪下における局所漂砂量公式をさらに普遍的に求めるために、任意波形振動流水槽を用いて大波高の波のもとで出現する底質の移動機構を調べた。まず流速場については固定床実験を行ない、砂漣形状が非対称で、非対称な規則波振動流下における砂漣上の乱流流速場を、上記レーザー・ドプラー流速計を用いて詳細に計測し、乱れ強度・レイノルズ応力・渦動粘性係数・乱れエネルギーの諸量の時間的・空間的分布を求めた。次に砂漣形状・漂砂量を調べるために移動床実験を行なった。実験に際してはスペクトルによる成分波とその二次干渉を考えることで、現地の波浪に近い不規則波信号を作成した。実験の結果、砂漣の波長はレイノルズ数・シールズ数を、また砂漣波形勾配シールズ数を用いて整理できることを示した。またnetの漂砂量もシールズ数と流速波形ひずみ度で整理できた。
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Research Products
(2 results)