1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60420041
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安岡 正人 東京大学, 工, 教授 (20058043)
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Keywords | 固体音 / 床衝撃音 / 給水音 / 版振動 / 振動伝搬 / 固有振動 / モーダル解析 / 振動伝達関数 |
Research Abstract |
固体音に関する研究が、加振源,振動媒体,音の放射体に亘る広い対象をもつことから、初年度においては、その要素技術ともいうべき基礎的研究に重点を置いて実施した。 まず、曲げ振動場として捉えられる床版の振動性状に関する基礎的研究を模型実験を中心に行った。すなわち、アクリル板で床版模型を作り、周辺の固定条件、それに加える質量,弾性,粘性などの拘束条件を色々と変化させて、今回導入したモーダル解析装置を中心に各種の振動解析を行い、それらが版振動に与える影響を明らかにした。その知見の一端を紹介すると、版振動系と空気音系を併せた系の相似則を全体的に成立させるには、版の材料物性を等価なものとする必要があるが、コンクリートの代りにアクリル樹脂を用いてもある程度の定量的な検討が可能であり、付加質量を腹部分に設定することによってモードを抑え、接合部に粘性を与えることで更にその効果を高めることができること、支柱による弾性固定によっても同様な効果の得られることが確認された。 給水音など配管系についても管の径方向、軸方向の振動モードの解析を行い、基本的な振動姿態の理論的解析結果とも併せて検討を行っている。 建築物内の広域的な振動伝搬に関しては、実際の建築において床,梁,柱系の振動姿態とその連接系における振動伝搬性状をインパルスLスポンスの形で捉え、モードや伝達関数等を定量的に把握した。 上記の他、床衝撃音に対する床表面仕上材の改善効果の実験室測定方法の標準化に関して、試験床の振動性状の影響を衝撃インピーダンス、床版のモード解析結果等を手掛りとして検討した。また、建築構造の鋼板耐力壁の発生音についてその振動モード解析を行って防止対策を検討した。
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Research Products
(2 results)