1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60420043
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡村 宏 熊本大学, 工, 教授 (40040373)
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Keywords | 鉱柱 / 変形特性 / クラック / 不連続面 |
Research Abstract |
材料試験装置を購入し、予備実験は計画通りに完了した。これは、花崗岩,縁泥片岩,安山岩を用いた一連の実験である。 まず、表面クラック観察に基づき、クラック長に対するクラック頻度分布曲線を求め、これがポアソンの確率過程に基づき理論的に説明できることを見い出し、表面クラックから内部クラック密度係数を推定した。つぎに、2kbarまでの静水圧試験を行ない、変形係数の応力依存性より開口型クラックを定量し、開口型クラックの頻度分布を求め、開口型クラックの密度係数が前記の内部クラックの密度係数の推定値より小さいことを確認した。すなわち、かなりの量の内部クラックの存在を確認した。さらに、この実験では、弾性波伝播速度より動的有効弾性係数が80Gpa程度であり、これが鉱物組成に依存することを確認した。最後に、平板試験片の圧縮引張両振り静的載荷試験では、ヒステリシス曲線から閉合型クラックと開口型クラックの密度比および内部摩擦特性の定量法を検討した。その結果、除荷過程を含めて考えると、クラック理論における従来のセルクコンシステント法は若干の修正が必要と考えられた。 一方、岩石を用いた室内実験結果に基づいて、鉱柱の変形特性の評価を試みた。すなわち、岩石内のクラックを鉱柱内の不連続面に、岩石の固有弾性定数を鉱柱の構成岩石ブロックのそれに対比する方法である。この結果、ボーリング調査によるRQDなどを用いた定量法を理論的に検討し、1つの関係式を与えた。しかし、ボアホール径などの寸法効果に問題が残されており、また、この理論を用いて鉱柱の変形特性を評価するためには、開口型クラックと閉合型クラックの密度比、内部クラックの密度分布およびクラックの摩擦係数等の諸係数の定量が必要であり、これらは来年度の詳細な実験によって解明する予定である。
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