1986 Fiscal Year Annual Research Report
圧力容器,配管等における破壊前漏えい(LBB)安全対策に関する基礎研究
Project/Area Number |
60420047
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小倉 信和 横国大, 工学部, 教授 (10017949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 譲 横浜国立大学, 工学部物質工学科, 助手 (90114975)
安藤 柱 横浜国立大学, 工学部物質工学科, 助教授 (40017992)
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Keywords | 材料力学 / 破壊力学 / 原子炉配管 / 破壊前漏えい / LBB / FEM |
Research Abstract |
表面き裂材のLBB挙動を調べるため単調荷重及び繰り返し荷重下で試験を行ない、LBB挙動に及ぼす繰り返し荷重の影響について検討した。材料は原子炉配管に用いられるSTS42鋼であり、試験片は中央に表面き裂を有する帯板形状とした。本研究で開発した広巾試験片用引張負荷装置を用い単調増加での最大荷重、あるいはき裂貫通後の塑性崩壊荷重より少し低い荷重で繰り返し負荷を行なった。ロードセルにより荷重値を、変位計によりき裂中央部を中心に120mm間の変位をデータレコーダで記録計測した。単調増加荷重と繰り返し荷重下におけるLBB挙動を比較し、貫通直前から破断までの時間に対する荷重と変位の挙動を調べた。その結果以下の諸点が明らかとなった。 (1)静的負荷試験では、荷重の増加に伴って最大荷重を示した後、貫通して破断に至った。しかし静的の最大荷重より少し低荷重で行った疲労試験では、貫通した直後に破断した。また静的試験で得られた荷重変位曲線には、最大荷重到達後一定の荷重平担部が現われ、この平担部の値より下の繰り返し荷重で疲労試験を行なう場合、LBB条件が成立することが認められた。 (2)疲労試験ではLeaKを生じて破断に至るまでの間に、局所的に大きな変形が伴うことが観察され、この変形をモニターすることにより破断前の補修管理が可能となると思われる。 (3)破面観擦によれば、疲労試験の場合、き裂貫通後試験片裏面でのき裂長さが極めて速い速度で成長し、その後、緩やかな伝ぱを示し、表面での初期き裂長さと同じくらいになってから、また伝ぱが加速化されていることがわかった。
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