1985 Fiscal Year Annual Research Report
積雪・高冷・火山灰地における改良山成り畑の地表・地下水の流出・浸透機構と排水対策
Project/Area Number |
60420049
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長崎 明 新潟大学, 農, 教授 (80018514)
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Keywords | 改良山成り畑 / 積雪 / 高冷地 / 火山灰地 / 法面崩壊 / 排水不良 / 地表水流出機構 / 地下水浸造機構 / 開畑計画 |
Research Abstract |
今年度は、来年度の暗梁施工及びそれ以後の観測に向けての事前調査のため、【◯!1】受益農家へのアンケート,【◯!2】法面崩壊状況調査,【◯!3】供試圃場の迸定,【◯!4】土壌調査,【◯!5】必要計測機器の購入と調整,【◯!6】水位測定施設の設置,【◯!7】地表水・地下水の流出状況調査を計画し、【◯!1】〜【◯!5】についてはほぼ所期の成果を得たが、【◯!6】については土地所有者との交渉及び事業所の段取りのため着工が遅れ、完成直後積雪期に入つたので、【◯!7】の観測も開始できなかった。本地区は約半年間積雪下にある豪雪地たので、来年度はこの経過にかんがみ融雪早々観測を開始したい。 以下、主として【◯!1】〜【◯!4】について、その実績概要を報告する。 1. 受益農家の経営構造、開畑地への要望等をアンケートし次の結果を得た。経営耕地(田畑)は2ha以上に達し、山間地農家としてはかなり大きいが、青年男子の農外從事が少くなく、開畑地での主たる農作業は老人・婦人に負う処が大きい。1耕区1haの大区画よりも30〜50aていどを望む者が多い。全耕区の86%が評水不良で、その約5割は盛土部畑面に起こっている。評水不良で困る時期と作業は6月の耕起・施肥・播種に集中し、春の遅い本地区の特性を示している。 2. 開拓事業所の記録によれば、畑地造成の翌年に法面崩壊が起きやすく、その大部分は盛土部に起こることが判った。 3. 供試圃場は、原地形が単純で、耕区のほぼ中央(長辺に平行)に切盛境界線があること等を条件に迸定した。 4. 土壌調査の結果、盛土部は切土部に比し乾燥密度、固相率が大きいにもかかわらず、自然含水比が高く、土壌硬度が小さい。塑性試験及び締固め試験によれば、盛土部の表土・下層土.切土部の表土・下層土.それぞれ火山性粘質土の特性を良く示している。 来年度以降の観測のための準備・事前調査として十分な実績を得ることができた。
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