1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60430002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
籏野 嘉彦 東京工業大学, 理学部, 教授 (90016121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜飼 正敏 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 学振特別研究員 (80192508)
新坂 恭士 東京工業大学, 理学部, 助手 (50016135)
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Keywords | ファン・デル・ワールス分子 / 電子付着過程 / 電子分光 / 電子エネルギー損失スペクトル / 電子スペクトロメーター / 超音速ノズルビーム / 共鳴付着 / マスフィルター |
Research Abstract |
本研究は, 低エネルギー電子のファン・デル・ワールス分子による電子エネルギー損失スペクトルおよび負イオン生成スペクトルの観測を行なうことによってファン・デル・ワールス分子への特異的な電子付着過程についての知見を得, その特異性の原因を明らかにしようとするものである. 本年度の研究実施計画は, 希ガス, N_2, O_2, 炭化水素から成るファン・デル・ワールス分子をノズルビームを用いて生成させて, 電子エネルギー損失スペクトルおよびその角度分布を測定し, 得られた結果を通常の孤立分子の結果と比較し, ファン・デル・ワールス分子についての特徴を明きらかにすることであった. 昨年度導入した質量分析装置は当初の予定通りに動作し, ノズル分子線源より生成したArn, (O_2)n, (CO_2)nの各クラスター正イオンを検出できた. ところが負イオンクラスターは検出できなかった. 負イオン検出は本年度の研究実施計画の前提になるものであるので, この問題を解決しなければならなかった. 負イオンクラスターが検出できなかった主な理由として負イオンクラスターの生成量が少なかったことが考えられたので親クラスターの生成量を増やすためにノズル分子線源に改良を加え, 液体窒素ガスにより零下数十度Cまでノズル部分を冷却できるようにし, 現在, この分子線源によるクラスター生成の最適条件を調べているところである. また, 電子エネルギーモノクロメータ・アナライザー系はすでに通常の(ファン・デル・ワールス分子でなく)原子・分子を用いてほぼ十分な分解能と強度を得ているが, 低濃度のファン・デル・ワールス分子の測定にはさらに改良の必要が出てきた. 現在, 電子銃およびエネルギー分析器のレンズ構成を変えることにより所要の電子線強度が得られるよう作業を進めている. これらの改良により本年度の研究計画が達成される予定である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 籏野 嘉彦: The Okazaki Conference on Ionization Processes of Gas-Phase Clusters. (1988)
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[Publications] 嶋森 洋: J. Chem. Phys.
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[Publications] 嶋森 洋: J. Chem. Phys.
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[Publications] 嶋森 洋: J. Chem. Phys.
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[Publications] 嶋森 洋: Proceedings of the 5th International Swarm Seminar. 57-62 (1987)
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[Publications] 鵜飼 正敏: 第3回化学反応討論会要旨集. 252-253 (1987)