1986 Fiscal Year Annual Research Report
親水性可逆コロイドの解離会合および相互作用に関する研究
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60430003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
池田 勝一 名大, 理学部, 教授 (20022535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨山 徹夫 名古屋大学, 理学部, 助手 (20155576)
今栄 東洋子 名古屋大学, 理学部, 助手 (80101161)
前田 悠 名古屋大学, 理学部, 助教授 (20022626)
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Keywords | 塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム / 臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム / 球状ミセル / 棒状ミセル / 光散乱 / 球、棒転移 / 準希薄領域 / ブロツブ |
Research Abstract |
塩化および臭化テトラデシルトリメチルアンモニウムのそれぞれ塩化および臭化ナトリウム水溶液について程々の塩濃度において25゜Cにおける静的光散乱を系統的に測定してそのミセルの形と大きさに関する知見を得た。 添加塩なしの水中では、デバイプロツトはミセル濃度の増加と共に直線的に増加するが、或る濃度以上で直線の傾斜は小さくなる。分子量18200および23,800の球状ミセルの存在を示す。塩濃度の増加と共に、ミセル分子量は少し増加し、2.70M塩化ナトリウムおよび0.12M臭化ナトリウムで約分子量33,000に達し、第二ビリアル係数は31.0×【10^(-3)】【cm^3】【g^(-1)】および18.1×【10^(-3)】【cm^3】【g^(-1)】が30に達する。添加塩濃度がこれらの値を越えると、デバイプロットはミセル濃度の増加と共に減少する。添加塩濃度が上の値以上では球、棒転移が起ると解釈される。塩濃度が低いときは、デバイプロットは水平に落着き、高いときには、拓小を径てから増加する。臨界ミセル濃度では球状ミセルができ、ミセル濃度の増加と共に、会合して棒状ミセルができ、ミセルの大きさは、球、棒共、塩濃度によってきまる。棒状ミセルの分子量は添加塩濃度の増加と共に急激に増加し、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウムは4.00M塩化ナトリウム水容液中で分子量126,000、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウムは4.00M臭化ナトリウム水溶液中で分子量3,330,000の棒状ミセルをつくる。分子量500,000を超える棒状ミセルは非常に屈曲性で、光散乱から求めた臭化テトラデシルアンモニウムミセルの慣性半径は分子量の0.55乗に比例し、みみず状鎖の取扱いによる持続長は500A前後である。屈曲性棒状ミセルの重なりが起る準希簿領域では、網目の構成単位のブロッブが光散乱に寄与し、その大きさは濃度と共に小さくなるが、その相関距離はミセルの慣性半径と全く同じ法測に従うことを発見した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 前田悠,田中順子,池田勝一: Bulletin of the Chemical Society of Japan. 59. 769-773 (1986)
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[Publications] 今栄東洋子,荒木英明,池田勝一: Colloids and Surfaces. 17. 207-219 (1986)
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[Publications] 今栄東洋子,荒木英明,池田勝一: Colloids and Surfaces. 17. 221-228 (1986)
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[Publications] 今栄東洋子,阿部明仁,田口洋一,池田勝一: Journal of Colloid and Interface Science. 109. 567-575 (1986)
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[Publications] 今栄東洋子,小西裕子,池田勝一: Journal of Physical Chemistry. 90. 1417-1422 (1986)
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[Publications] 今栄東洋子,池田勝一: Journal of Physical Chemistry. 90. 5216-5223 (1986)
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[Publications] 池田勝一: "コロイド化学" 裳華房, 246 (1986)