1985 Fiscal Year Annual Research Report
周波数可変連続発振遠赤外光源による分子イオン短寿命分子の分光
Project/Area Number |
60430006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
斎藤 修二 名大, 理学部, 教授 (30106158)
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Keywords | 遠赤外分光 / 遠赤外光源 / サブミリ波分光 / マイクロ波分光 / 分子イオン / 短寿命分子 / フリーラジカル / 星間分子 |
Research Abstract |
当初の計画では今年度に周波数高安定化【Co_2】レーザーの設置を予定していたが、研究グループの初年度であったため、必要最小限のマイクロ波源、周波数測定装置および放電装置の設置のみとなった。【Co_2】レーザーが完成し、レーザー光間の差周波を取り出した際に、周波数可変とするために混合するマイクロ波源を、当面の研究活動に備える意味で、分子イオン短寿命分子観測用のミリ波・サブミリ波分光装置にまとめた。 1.マイクロ波周波数標準:周波数シンセサイザー、マイクロ波周波数安定器、周波数カウンター、全波受信器、および別に準備した10GHzクライストロンと低電圧クライストロン電源を組み合せて構成した。総合的な安定度は1×【10^(-9)】/secである。 2.90GHzマイクロ波源:クライストロン90より、ミリ波用クライストロン電源、および別途準備した75〜110GHz立体回路部品で90GHz帯のマイクロ波源を構成した。周波数掃引用の鋸波発振器、変調用の周波数変調発振器は自作した。 3.信号検波系:位相検波器と自作した100KHz(変調周波数)前置増幅器で、信号増幅、検波回路を構成した。スペクトルの表示にはオッシロスコープを用いたが、將来マイクロコンピューターとの結合を考えている。 4.吸収セル、真空系、放電装置、放電用直流高圧電源以外は自作。 5.動作試験:酸素分子のスペクトル線(118750HHz)を用いて分光器の総合調整をおこなった。地磁気の補正、位相調整、利得調整、掃引試験の結果、スペクトル線を極めて良いS/Nで観測できた。 この結果、別途準備中のInSh検波器およびサブミリ波発生高調波器と組み合わせると、高感度サブミリ波分光器となり、分子イオンやフリーラジカルの観測測定が容易に実現する。
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