1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60430010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 均 東京大学, 海洋研, 教授 (00033126)
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Keywords | 海底火山 / ICP発光分光分析 / 熱水指標元素 / 多元素分析 |
Research Abstract |
海底熱水系の地球化学的探査の第一段階は候補海域において海水および海底堆積物中の熱水指標元素の分布を調査することである。指標元素として有効と考えられるものにはFe,Mn,Cu,Zn,Pb,As,Mo,Cr,Ni,Co,Cd,Ho,Baなどの微量重金属元素がある。また熱水や堆積物、海底火山岩類の主要化学組成を知るためには上記の他にNa,K,Ca,Mg,Sr,Al,Si,Ti,Vなどの分析も行なう必要がある。多数の試料についてこれら元素の分析を迅速かつ精度良く実行することが本研究の遂行には必須である。このため多元素同時分析用ICP発光分光分析計JY48P(セイコー電子工業K.K.)を購入した。本装置は上記元素の中○印をつけたものを除く19元素および内部標準としてYを加え計20元素の同時分析が可能である。本装置は昭和60年11月に納入され諸調整も順調に進み、期待通りの性能を発揮している。 昭和60年8月に行なわれた海洋研究所研究船白鳳丸の研究航海において、ハワイ島南東30Kmにある海底火山ロイヒ海山の熱水活動を調査した。山頂部周辺の海水試料多数を採水するとともに、ドレッジにより山頂部より熱水性堆積物と思われる沈殿物に被膜された多数の火山岩類を収集した。海水試料については若干のものについて既にFe,Mn,はどの重金属異常を検出している。またこれらの海水中のメタン,ヘリウム濃度が著しい異常を示すことからも、いわゆる熱水プリュームの存在は明らかである。現在採取した各種試料について化学分析、鉱物同定などを実行中である。
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