1985 Fiscal Year Annual Research Report
隕石の中の太陽系外物質-特に希ガラス同位体-の研究
Project/Area Number |
60430012
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
坂本 浩 金沢大学, 理, 教授 (10013377)
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Keywords | 希ガス用質量分析計 / Allende隕石 / Murchison隕石 / 細分画 / 光核反応 / 鉱物分離 |
Research Abstract |
(1)希ガス用質量分析計の整備-隕石構成に分の分画試料及び核反応ターゲット専用分析計として、所要の感度(【10^5】〜【10^6】原子;【10^(-15〜-14)】ccSTP)と分解能(He域2000,Ne域6300,Xe,Kr域500〜1000)に基き詳しい検討を行った結果、偏向角90°,軌道半径30cm,到達真空度【10^(-11)】torrを基本とする仕様構成を決定し、相応する磁場制御、データ取得系の検討を加えた。この条件を満たす既製システムの市販品はなく、各構成部を個別に精査・精選し、イオン源部、コレクター部等の自作を加えてシステム化することとした。現在、主要部品を入手し個別テストを行う段階に入った。これにより他に類のないシステムの完成が期待できることとなった。 (2)隕石構成々分の分離-入手済のAllende隕石(CV3)及びMurchison隕石(CM2)の小片試料につき、freeze-thaw法で分解し、篩分けと沈降速度分離により粒度の 細分画重液分離により比重の分画を行った。これらの1部を走査電顕分析及び放射化分析に供して粒度及び化学組成を調べた。その結果、元素分別や元素相関からみて本法による分離分画はかなりうまく成功していることが確認された。ただし、Allendeの分画分はサブミクロンの複数鉱物からなる粒子の混入が残り、この隕石の特異性を示した。今後、試料量を増して本法による細分画を行い、同様の分析を進めると共に質量分析への試供を行うに十分の分画試料を確保する段階となった。 (3)核反応断面積測定-制動放射線による【^(51)V】,【^(63,65)Cu】,【^(89)Y】,【^(127)I】及び【^(133)Cs】の中間エネルギーで得たデータを基に、単色光子による断面積への転換(unfolding)を試みた。共鳴域の再現性が得られたが、実験に適合するパラメータ条件の選択に余地が見出され、検討を行っている。更に低エネルギー制動放射線の実験については大放研LINACを含めて予備調査を行い、その結果は、目下検討中である。
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Research Products
(1 results)