1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60430012
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Research Institution | KANAZAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
坂本 浩 金沢大学, 理学部, 教授 (10013377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜島 靖典 金沢大学, 理学部, 助手 (60172970)
小村 和久 金沢大学, 理学部, 助教授 (00110601)
中西 孝 金沢大学, 理学部, 助教授 (00019499)
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Keywords | 光核反応 / 希ガス用質量分析計 / Allende隕石 / 細分画鉱物分離 / 炭素質隕石 / Murray / Murchison / 希ガス(Xe、Kr、Ar)同位体比異常 |
Research Abstract |
1.光核反応の研究ーー連続エネルギーの制動放射線による核反応データを蓄積してきたが、本年度も東大及び東北大加速器で各2回、計6週間の実験を行い、他方、核内カスケード・蒸発モデルによる理論解析を行った。その内容は、第32回放射化学討論会へ1論文、日本化学会第57春季年会へ1論文、東大核研年報3論文、京大原子炉実験所専研報告1論文、原子核研究1論文及びNucl.Phys.改訂論文及び椚瀬 彰の修士論文に報告した。 2.希ガス質量分析ーー新装置には従来のイオン電流計測方式に加えて、イオンパルスの計数法を導入してS/N比の向上を試み、感度を10倍に上げることができた(内容は大浦泰嗣の修士論文)。 3.隕石研究ーーAllende隕石の20g片から粒度・比重に基ずく約70の分離分画を得て、主にEDAX付走査電顕で元素・鉱物の検定を行った。それぞれの分画分が特徴的鉱物組成が同定され、所期の目的がほぼ達成された。そこではまた、予期しなかった新発見、例えば、比重分画4.04〜4.14g/cm^3にpentlandite,chromiteとwhitlockiteの3鉱物集塊粒(〜50μm)が、また同分画中に約70μmで2つの異なる形状の透明な純Baけい酸塩鉱物が分取・同定された(宮本ユタカの修士論文;日化年会1論文)。 4.隕石中の希ガス(Xe、Kr、Ar)同位体比異常の星内合成の検証ー炭素質隕石Allende,Murray及びMurchisonを主とする新データを使って星内核反応のモデル計算との再照合を行った結果、赤色巨星での遅い中性子捕獲を起源とするS-成分と、超新星爆発寸前の光核反応及び爆発時の速い中性子捕獲を起源とするpおよびγ-成分が弁別できるようになり、p-成分を作る光核反応の有効継続時間は、本研究で指摘してきた通り、2×10^9〓で(6〜7)×10^4secを確認し、γ-過程の有効中性子線量は3.8×10^<-7>〔mole/cm^3・sec〕に改めた。このモデルの改善が要請されるが基本的に正しい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤原一郎 他: 原子核研究. 33(2). 187-201 (1988)
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[Publications] K.Sakamoto;et al.: Institute for Nuclear Study,University of Tokyo,INS-Rep.-713. 1-31 (1988)
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[Publications] K.Sakamoto;et al.: Annual Report 1988,University of Tokyo,Institute for Nuclear Study. 1988. (1989)
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[Publications] T.Fukasawa;et al.: INS Annual Report 1988,Institute for Nuclear Study,University of Tokyo. 1988. (1989)
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[Publications] K.Sakamoto;et al.: Nucl.Phys.A.(1989)
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[Publications] K.Sakamoto: Geochem.Jour.23(1). (1989)