1985 Fiscal Year Annual Research Report
テクト珪酸塩鉱物におけるSi,Al分布則の理論的・実験的研究
Project/Area Number |
60430016
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 満雄 群馬大学, 工, 助教授 (20008428)
|
Keywords | Si,Al分布 / テクトケイ酸塩 / 置換配位ネットワーク / Loewenstein則 / Dempsey則 |
Research Abstract |
本研究における実験設備としての四軸単結晶自働X線回折装置AFCMについては納入が61年2月となったため本報告では主として理論的研究についての成果をまとめた。 (1)Si、Al分布のキャラクタリゼーション 從来、三次元フレームワーク中のSi,Al分布は殆んど結晶学的な空間対称性の立場から記載議論されて来た。今回これとは全く別に、三次元フレームワークを特微づける配位ネットワーク上の分配問題として検討する試みを行った。その結果、あるフレームワーク中に出現する置換配位ネットワーク(SiサイトをAlが置換したもの)の種類と頻度はフレームワーク中の固有のSi,Al分布によって決定されることを見出した。また、置換配位ネットワークのトポロジカルディスタンスを0,1,2,・・hと増すことにより、SiとAl原子間の結合関係を1次,2次,3次・・n次の隣接関係において理解出来ることがわかった。 (2)Si,Al分布の予測 X線回折法の制約によりSi,Al分布の詳細を実驗的に決定することは大変困難である。この点に関して從来から経驗則として知られているLowenstein則(最近接Al-Al対不在則)とDempsey則(第2近接Al-Al対最小則)を考慮し、或るSi/Al組成比に対して可能な置換配位ネットワークを段階的に導く方法を明らかにした。その結果、現在迄X線回折法によりそのSi,Al分布の詳細が把握されている8種の化合物について、1種を除いてこれらのルールが厳密に成立していることを見出した。また、これら置換配位ネットワークの三次元的組み合わせによる実在フレームワークの構築について檢討を試み、或る程度の成果を得た。
|