1985 Fiscal Year Annual Research Report
高機能触媒による環状エーテル類の反応制御と合成への応用
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60430022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 治和 大阪大学, 工, 教授 (20028963)
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Keywords | 有機スズハライド錯体 / 有機アンチモンハライド / オキセタン / オキシラン / イソシアナート / オキサジノン / 3,4-ジ置換オキサゾリドン |
Research Abstract |
初年度にあたる今年は、主として典型金属錯体触媒の研究面で成果が認められた。すなわち、(1)従来不可能であったオキセタンとイソシアナートとのシクロ付加が温和な条件で進行したこと、および(2)オキシランとイソシアナートとの反応において、今までの触媒では認められなかった立体的に困難な付加物を選択的、高収率に得る系を見いだすに至ったことが主な結果である、以下にそれらの概要を示す。 1. オキセタンとイソシアナートとのシクロ付加反応 【Bu_2】Sn【I_2】とホスフィンオキシドとの錯体が、この反応に対して特異な促進効果を示し、40℃という温和な条件で6員環生成物であるオキサジノンを高収率で与えた。この系の利点は、触媒が中性であるために、従来本反応の障害と思われていたイソシアナートの3量化を全く引き起こさない点にあり、この錯体は新しい中性高活性触媒として展開することが期待される。【Bu_3】SnIや【Bu_2】Sn【I_2】-ホスフィン系の活性は極端に低下することから、錯体の組み合わせが重要な因子となることは明らかであり、今後、より詳細な検討を必要としよう。 2. オキシランとイソシアナートとの異常なシクロ付加反応 従来、150〜200℃の温度を必要とした反応を【Ph_4】SbIを触媒とすることにより、室温でほぼ定量的に進行させることに成功した。さらに、モノ置換オキシランとの付加反応では、従来はβ-開裂による3,5-ジ置換オキサゾリドンのみが得られていたのとは全く対照的に、熱力学的にも不利であるはずの、3,4-ジ置換オキサゾリドンがほぼ選択的に生成することが判明した。 このように、この触媒は、活性、選択性の両面において新規なものであり、オキシランのシクロ付加の方向を広範囲に変え得る可能性があり、今後その適用範囲に関し検討する予定である。
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Research Products
(2 results)