1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60440005
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大日方 昂 千葉大学, 理学部, 教授 (40012413)
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Keywords | 筋原線維形成 / アクチン調節蛋白質 / アクチン / 細胞骨格 / ミオシン / C蛋白質 |
Research Abstract |
1.筋原繊維形成時のアクチン集合の調節 (1)分子量16kDaのアクチン調節因子の精製と役割の解明 鶏胚筋の可溶性画分から、ポリーLープロリンのアフィニティーカラムにより、16kDaのGーアクチン結合タンパク質が分離され、イオン交換樹脂とゲル濾過の組合せにより純化された。アクチン重合への作用やサイズ、ぺプチドマップなどの特徴からこのタンパク質は非筋細胞に広く分布するプロフィリンと同一であると結論された。幼若筋細胞におけるプロフィリンの存在は本研究で初めて明らかになった。骨格筋からαアクチン、平滑筋と脳からβ、γアクチンを精製し、16kDaタンパク質のアクチン重合への作用を調べたところ、αアクチンへの作用は弱いのに対し、β、γアクチンに強く結合してそれらの重合を抑制することがわかった。鶏胚骨格筋では、α、βおよびγの3種のアクチンが発現されているが、16kDaタンパク質が胚筋内ではαアクチンよりもβ、γアクチンに高い親和性をもつことが確認された。これらのことから、発生途上の幼若骨格筋内ではαアクチンとβ、γアクチンの集合はプロフィリンにより選別的に制御され、前者は筋原繊維形成に関与しないと結論された。 (2)筋成長とアクチンーミオシン量比の変化 幼若筋の19kDa、20kDaのアクチン重合抑制因子の抑制作用はミオシンにより解除される(前年度報告)。このことの意味を知るために、筋形成時のアクチンーミオシンの割合を調べたところ、幼若筋ではミオシンが不足し、筋原繊維形成時にミオシンの急激な増加がみられた。このことは、ミオシンの出現が筋原繊維形成の引金的役割を演ずることを示す。 2.ほ乳類のCータンパク質のアイソフォーム ほ乳類横紋筋のCータンパク質のアイソフォームを二次元電気泳動とモノクローン抗体(FCー18)を用いたイムノブロットにより明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Abe,H.;Obinata,T.: Cellular and Molecular Biology of Muscle Development(Alan R.Liss,New York). (1989)
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[Publications] Takano-Ohmuro,H.;Goldfine,S.M.;Kojima,T.;Obinata,T.;Fischman,D.A.: J.Muscle Res.Cell Motility. (1989)
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[Publications] Oshima,S.;Komiya,T.;Takeuchi,K.;Endo,T.;Obinata,T.: Comparative Biochemistry and Phsyiology. 90B. 779-784 (1988)
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[Publications] Obinata,T.;Ogasawara,Y.;Takeuchi,K.;Takano-Ohmuro,H.: Etiology and Morphogenesis of Congenital Heart Disease. (1989)
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[Publications] Abe,H.;Obinata,T.: J.Biochemistry.
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[Publications] Ohshima,S.;Abe,H.;Obinata,T.: J.Biochemistry.