1986 Fiscal Year Annual Research Report
作物生産における炭素及び窒素の動態とそれらの効率的利用に関する研究
Project/Area Number |
60440010
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丹下 宗俊 神戸大, 農学部, 教授 (40031158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 欣一 神戸大学, 農学部, 助教授 (10031171)
東 順三 神戸大学, 農学部, 教授 (90031210)
山口 禎 神戸大学, 農学部, 教授 (50031216)
寺分 元一 神戸大学, 農学部, 教授 (40031207)
上山 泰 神戸大学, 農学部, 教授 (10031204)
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Keywords | 重窒素 / 窒素同化 / 乾物生産 / 光合成 / 転流 / 貯蔵器室 / 根粒菌 |
Research Abstract |
昭和61年度に行った研究により得られた成果は次のようである。 (1)水稲苗を異る条件下で育苗し、【^(15)N】吸収速度と移植後の生育量の違いから苗質の良否を判定した。 (2)浮稲の深水に対する反応を各分げつの乾物生産に着目して調べた結果、各分げつの乾物生産速度は水面上の平均葉面積と密接な関係があること、また平均葉面積は各器官のうち稈の乾物生産と高い正の相関を示すことが明らかとなった。さらに【^(15)N】を用いてその移行について調べた結果、深水下では上位節の1次分げつや2次分げつから主稈や下位節の1次分げつに【^(15)N】が移行すすることが明らかとなった。 (3)イネ葉の光合成の品種間差異の機構を明らかにする目的で、24品種につき【CO_2】-光合成曲線を調べた結果、気孔抵抗は約8倍、葉内の物理的抵抗は約6倍、化学的抵抗は約7倍の品種間差異のあることが明らかとなった。また異る窒素施肥量の影響は葉内の化学的抵抗に主として現われるものと考えられた。 (4)【^(15)N】標識アンモニア態,硝酸態,亜硝酸態窒素のオオムギによる吸収と同化を調べた結果、アンモニア態窒素は吸収後直ちに根でアミド,アミノ酸に同化され、その後一部は根のタンパク質に合成されるが、大部分は地上部のタンパク質合成に利用される。硝酸態窒素の吸収量は最高であったが、同化速度は最低で、硝酸態窒素のままで根部、地上部に大量残留した。亜硝酸態窒素は吸収後直ちにアンモニア化され、アミド,アミノ酸に同化され、亜硝酸態窒素のままで残留することがなかった。 (5)その他、タマネギ,アスパラガス,アルファルファ,クズ,水稲,ダイズ,夏播コムギ及び土穣に関する研究についても分担者が調査中である。
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