1985 Fiscal Year Annual Research Report
サンゴ礁の保護・育成とオニヒトデ幼生の駆除に関する研究
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60440017
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
波部 忠重 東海大学, 海洋, 教授 (80138635)
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Keywords | サンゴ礁 / オニヒトデ / 産卵期 / 生殖腺熟度指数 / 幼生着低場所 / 沖縄県西表島 |
Research Abstract |
沖縄県西表島の網取湾を中心として、昭和60年4月から12月にかけて調査・実験を行ない、下記の通りの結果を得た。 1.オニヒトデの産卵期の推定調査 オニヒトデの生殖腺熟度指数(全腕の生殖腺重量÷オニヒトデの水中重量)値は、4月下旬から急上昇し、5月上旬に0.41となり、5月下旬まで維持し、6月上旬に急激に下降し0.24となる。また、卵径平均値も同様な変化を示す。このことから、西表島北西部海域におけるオニヒトデの産卵盛期は昨年同様6月上旬と推定された。 2.オニヒトデ幼生(稚ヒトデ)の大量生産実験 稚ヒトデの大量生産実験は、温度・水質の十分な管理のもとに、8回の人工授精が実施された。しかし、稚ヒトデは11個体しか得られず、浮遊幼活期の餌に問題があると推定された。 3.浮遊稚生の着底場所の推定 網取湾内のサンゴ礁原、礁縁、礁斜面にクライン29定点を設定し、浮遊幼生の着定が推定される7月以降に、1定点6回の採集を行なった。その結果、稚ヒトデは礁斜面の2点より各1個体、計2個体(22.0〜62.0mm)しか採集されなかった。なお採集面積は43.3【m^2】である。 そこで、定点以外のサンゴ礁縁の縁脚縁溝部で12地点の調査を実施した。その結果、7個体(4.7〜11.2mm)の稚ヒトデが採集された。また、採集時のスキューバ潜水による観察で、サンゴ礫の表面に付着する石灰藻に、稚ヒトデの食痕がみられたことから、自然界においても、石灰藻を摂食していることが確認された。 4.サンゴの生長実験 サンゴの2属(Acropora属,Poviropora属)3種の用い、礁原、礁縁、湾口、湾央、湾奥の各種環境条件下で生長速度を測定したところ、その種自身の生息していた環境で最も良い生長をすると推定された。
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