1986 Fiscal Year Annual Research Report
配偶子操作法の家畜繁殖技術への応用に関する基礎的研究
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60440019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 七郎 東北大, 農学部, 助教授 (80005602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々田 比呂志 東北大学, 農学部, 助手 (90158931)
梅津 元昭 東北大学, 農学部, 助手 (30005649)
太田 実 東北大学, 農学部附属農場, 助教授 (00005670)
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Keywords | 卵子 / 初期胚 / 顕微操作(マイクロマニプレーション) / 割断 / 遠心処理 |
Research Abstract |
本年度は前年度における成果をふまえ、家畜の配偶子における発生工学的手法の応用の可能性について検討を加えることを目的にして屠場材料によるウシ,ブタの卵巣内卵子を主として用いた実験とマウス,ラット卵子について基礎実験の再検討も行い以下の成果を得た。 1)卵子の顕微操作法 a)凍結したマウス桑実胚と胚盤胞を用い、両刀カミソリの先端を毛管ガラスの先に接着したものを割断ナイフとして前年度で得られた方式で割断実験を行った。割断した二等分胚の培養後の発生率は前年度と比べ有意に高かったが、移植後の成績が極めて悪く、今後、検討を加える必要がある。 b)核操作法:マウスとウシの体外成熟卵子を用い、前核の操作や精子の注入実験を行った。マウス卵子の前核の操作は牛と比べ操作後の損傷が大きく発生率は低かった。一方、ウシ未受精卵子へ精子を注入し、経時的にその変化を調べたところ、注入後、in vivo&vitroでの受精とほぼ同様の経過で雄性前核が形成されることが明らかになったが分割卵子は得られていない。 2)遠心処理卵子の体外発生と培養 マウス受精卵子(1-4細胞期)を遠心処理し、その後の発生能を調べたところ、胚盤胞への発生率は処理時の発生段階によって著しく異なる。即ち、未受精と1細胞期の受精卵子では8細胞期までしか発生しない。他方、2、4細胞期で処理した場合、約24-44%が胚盤胞まで発生した。1細胞期で処理した胚の発生率の低下は2-cellブロックを増強したことによるのか検討を要する。 本年度はウシ凍結卵子の割断法について材料の入手ができず検討することができなかったが62年度には実現し、家畜胚による操作を行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sugawara,S.;K.Hamano;A.Miyamoto;K.Kameyama;T.Horimuchi;J,Masaki: 10th Int.Cong.Anim.Reprod.&A.I.Urbana,Illinois,U.S.A.3. 382-383 (1984)
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[Publications] Sugawara,S.;K.Hamano;K.Kameyama;A.Miyamoto;J,Masaki: J.Mamm.Ova. 1. 55-60 (1985)
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[Publications] 菅原七郎,石川嘉彦,小松牧俊,橋本伸二,正木淳二: J.Mamm.Ova. 3. 34-35 (1986)
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[Publications] 菅原七郎 編,佐久間勇次,正木淳二 監修: "図説哺乳動物の発生工学実験法" 学会出版センター東京, 323 (1986)
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[Publications] 石橋正彦,高橋寿太郎,菅原七郎,安田泰久 編: "実験動物学総編" 講談社、サイエンテフィック, 212 (1985)