1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60440021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 迪雄 東大, 農学部, 教授 (30011943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 誠 静岡大学, 農学部, 助教授 (90143411)
山内 一也 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30072888)
酒井 仙吉 東京大学, 農学部, 助手 (80114487)
沢崎 徹 東京大学, 農学部, 助教授 (00012047)
光岡 知足 東京大学, 農学部, 教授 (30157549)
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Keywords | 成長ホルモン遺伝子 / 前核期受精卵 / 核移植 / マウス / 乳腺 / ウサギ / プロラクチン / レセプター |
Research Abstract |
1.受精卵への外来遺伝子の導入 成長ホルモンの遺伝子を注入し移殖した受精卵のうち約11%が発生を完了し出生したが、サザーンブロット法で外来遺伝子の染色体への組みこみを検出したものはまだない。この出生率は平均値ではあるが、いま少し改善の余地があり、導入効率の増加も期待される。 2.受精卵の体外培養方法の改良 マウス胚を前核期から培養すると2細胞に発生を停止する。細胞融合を用いた核移植法により、この発生停止に対する細胞質の重要性を示した。過排卵処理で採取した卵子と精巣上体精子により体外受精を行い、前核期卵を得た。核移植を行う胚をノマルキー微分干渉顕微鏡下でピペットにより除核した後、紫外線で不活性化したHVJを用いて他の核と融合した。細胞質がICR系マウス由来の胚は2細胞期をこえて胚盤胞にまで発生する率が低かったが、細胞質がF1に由来する胚は高率に胚盤胞を形成した。このことからマウス2細胞期での発生停止には、核よりも細胞質の関与が大きいと思われる。 3.プロラクチンのレセプターの精製とモノクローナル抗体 ウサギ乳腺のミクロゾームに含まれるプロラクチンのレセプターを界面活性剤を用いて可溶化し、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過により、分子量の異なる2種類の蛋白質を分離した。これらの蛋白質を用いてマウスを免疫し、4種類のモノクローナル抗体を得た。また抗原とプロラクチンとの結合および抗体との結合を調べたが、これら2種類のレセプターは共通の抗原性を有していた。 4.黄体細胞の分離 ラット黄体細胞をパーコールの連続濃度勾配遠心法により2つの細胞画分に分離した。このうちB画分はhCGに反応してプロゲステロンを産生した。またプロラクチンのレセプターも存在し、その標的細胞であることを示唆している。
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[Publications] 酒井仙吉: Biochemical Journal. 237. 647-653 (1986)
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[Publications] 川村和男: Journal of Biochemistry. 101. 103-110 (1987)
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[Publications] 酒井仙吉: Analytical Biochemistry. (1987)
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[Publications] 酒井仙吉: Endocrinologia japonica. (1987)
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[Publications] 鈴木治: Nature. (1987)
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[Publications] 崔泰生: Journal of Reproduction and Fertility. (1987)