1987 Fiscal Year Annual Research Report
計量診断のための次世代コンピュータソフトウエアの研究
Project/Area Number |
60440043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古川 俊之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20101082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 博 東京大学, 医学部, 講師 (60155158)
開原 成允 東京大学, 医学部, 教授 (30010234)
杉本 恒明 東京大学, 医学部, 教授 (60019883)
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Keywords | 病態生理学的ネットワークモデル / 疾病経過のゆらぎ概念 / ロジスティック関数 / 指数ワイブル関数 / マルコフ型時間系列モデル / 病態観測密度の最適化 |
Research Abstract |
病態生理学的なネットワークモデルの作成によって疾病進展の予測を行なうことを目指して, 前年度に引き続き基礎的・数学的研究を行なった. (1)疾病経過のゆらぎの概念の定式化:疾病の状態を節点として, 因果関係・時間関係で各節点を結んでネットワークを構成した. 各節点は特有の臨床所見の組み合わせが入力された場合に能動化すると仮定しれば, 一種の待ち行列を構成することができる. 節点の起動に必要な症状の組み合わせは, 決定論的なプロセスと確率論的なプロセスのいずれでも可能とした. いずれかの節点が起動された後も, 節点を通過する個体の順番は所見の組み合わせによるものとした. この過程を取り入れることによって, 経過中に新たな所見が加わった場合には, 先験的な知識と矛盾することなく疾病進行が加速される現象が再現された. 所見の変化がなければ, 順位はロジスティック関数および指数ワイブル関数を用いて決定した. 以上を総合した結果, 脳卒中, 成人ネフローゼ症候群などの臨床疫学調査資料と同じ経過が再現できた. (2)新しいリスク関数の提案のための基礎分析:結論的に目指す作業仮説は, マルコフ連鎖型のリスク関数で, これに個体特性をいかに組み込むかを考える前に, マルコフ型時間系列モデルと位置母数を有するワイブル関数の統-モデルの可能性を検討した. また脳死および進展胃癌についての新しい臨床疫学資料を用いて, 対象疾患の予後に関する予知情報を引き出す可能性を確かめた. また生命表について, ワイブル関数の要素を抽出して, 経年ならびに国際比較を行ない, 適用範囲の大きいモデルであることを確かめた. (3)病態観測密度の最適化:同一時点での観測密度は多変量解折論によって一応の基準が求められるが, 疾病経過がマルコフ性を有する場合, 時間軸上での観測密度の最適間隔を決定する根拠となることを確かめた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 古川俊之: 医用電子と生体工学. 25. 59 (1987)
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[Publications] 原正一郎,田中博,古川俊之: 医用電子と生体工学. 25. 451 (1987)
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[Publications] 田中博,古川俊之: 医用電子と生体工学. 25. 469 (1987)
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[Publications] 田中博,原正一郎,古川俊之: 医療情報学. 7. 155-172 (1987)
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[Publications] 洪有錫,原正一郎,古川俊之: 医用電子と生体工学. (1988)
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[Publications] 原正一郎,古川俊之: 医用電子と生体工学. (1988)