1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60440057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
波利井 清紀 東京大学, 医, 助教授 (50111539)
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Keywords | 神経移植 / 末梢神経 / 軸索の回復 / 顔面神経 |
Research Abstract |
60年度の研究は、家兎を用いて以下の実験を行った。 1)顔面交叉神経移植(坐骨神経を用いたモデル) donor nerveとして、家兎の坐骨神経を用いて顔面神経の交叉移植を行い、軸索の回復過程を検索 この実験においては、当初、坐骨神経の本幹約8cmを用いたが、神経切断後の下肢褥瘡形成のため、家兎の死亡が相次ぎ、十分な経過観察が得られなかった。従って、モデルを改良し、現在は坐骨神経束を手術用顕微鏡下に剥離し、下腿への主要神経束を温存するようにして、できる限り坐骨神経の機能を温存するようにした。採取した神経片は、一側の顔面神経の本幹を切断し、その中枢側に顕微鏡下に縫合した。移植神経は、家兎の下顎部の皮下を通り反対側の頬部皮下に埋没縫合した。尚、他に反対側の頬部顔面神経幹と一期的に縫合したモデルを作成した。 両者における軸索の再生を、移植後2週,1ヶ月,2ヶ月,3ヶ月と6ヶ月の間に経時的に検索する予定であったが、本実験では初期の家兎の死亡のため検索は次年度になる。 2)顔面交叉神経移植(血管柄付耳介神経移植を用いたモデル) 上記と同様のモデルであるが、移植神経に後耳介神経を用いた。この神経は後耳介動静脈と共に採取すると血管柄付神経片にできるため、血管柄付神経移植を用いた顔面交叉移植とした。経時的に軸索の再生を検索、組織学的、筋電図学的に検討を加えている。このモデルはすでに最長6ヶ月のものを得ているが、移植後早いもので3ヶ月には再生軸索が他端に達し、顔面筋よりevoked potentialが得られる。 また、単に後耳介神経のみの移植を行ない、血管柄付神経移植群の対照としているが、現在までの結果では両者の間に有意の差を認めていない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Proceedings of 2nd Vienna Muscle Symposium,Facultas. .215-219 (1985)
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[Publications] Proceedings of 2nd Vienna Muscle Symposium,Facultas. .220-224 (1985)
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[Publications] Proceedings of 2nd Vienna Muscle Symposium,Facultas. .93-97 (1985)