1986 Fiscal Year Annual Research Report
実験的脳梗塞における脂質過酸化反応の検出及び脳保護物質の開発
Project/Area Number |
60440067
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 二郎 東北大, 医学部, 教授 (50004536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 茂樹 東北大学, 医学部附属病院・脳神経外科, 助手 (30160039)
本宮 雅吉 東北大学, 拡酸菌研究所・内科, 助教授 (20006092)
稲場 文雄 東北大学, 電気通信研究所・量子電子工学研究部門, 教授 (90006213)
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Keywords | イノシトールリン脂質 / free fatty acid-ESR(電子スピン共鳴) / Chemiluminescence(超微弱発光) |
Research Abstract |
今年度はイノシトールリン脂質の虚血負荷から血流再開にかけての動態を測定し得た。方法としては脳底動脈焼灼に両側統頚動脈遮断を加えた高度全脳虚血ラットを用い、虚血時間を1分、5分、30分、とし、血流再開時間は10分、30分、60分とした。各時点でfreezing in situ法により脳を摘出した。脂質分析にはTLC、HPLCおよびGLCを用いリン脂質量はChen法およびChalvardjian法に準じたリンの定量により中性脂質とリゾリン脂質量は構成脂肪酸の定量により求めた。〔結果及び考察〕MPI(monophosphatidly inos:tol)は全経過にわたり著明な変化は認められずDPIとTPIのpolyphosphoinositideが虚血前値各々248・8、442・6n mol/gであったものが虚血1分より急激に減少し始め虚血5分では虚血前の約50%にまで減少したが以降は殆ど変化せず引き続く血流再開により30分で両者ともほぼ虚血前値にまで回復した。Free fatty acidは虚血1分で急増する群(stearate,arachidcnate)と虚血5分以降に増加する群に分けられた。Diglycerideは虚血1分より増加し始めその脂肪酸組成はstearate,arachidonateが主体であった。以上よりpolyphosphoinositideの水解が虚血脳初期病態に重要な位置を占ることが明らかとなった。この他のテーマとして脳シトコンドリアにおける虚血時のFe-Sセンターの検出及びマントール、ビタミンE、グルココルチコイドのESR、chemiluminescenceに及ぼす影響、FFAの遊離に対するビタミンEの効果、虚血脳皮質水分含量、【Na^+】、【K^+】、【Na^+】、【K^+】-ATPase活性の測定などを実施し得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 富永悌二,今泉茂樹,吉本高志,鈴木二郎,藤田雄三: Brain Researeh. (1987)
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[Publications] 今泉茂樹,富永悌二,上之原広司,吉本高志,鈴木二郎,藤田雄三: Neurological Research. 8. 214-220 (1986)
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[Publications] 富永悌二,今泉茂樹,吉本高志,鈴木二郎,藤田雄三: 38. 169-175 (1986)