1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60440071
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
小野村 敏信 阪医大, 医学部, 教授 (90025560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 真一郎 大阪医科大学, 整形外科学教室, 助手 (00148412)
渡辺 秀男 大阪医科大学, 整形外科学教室, 助手 (90026899)
岸本 郁男 大阪医科大学, 整形外科学教室, 講師 (50140158)
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Keywords | 脊髄誘発電位 / 脊柱後弯変形 / 圧迫性脊髄麻痺 |
Research Abstract |
1.緩徐な後弯進行とともに麻痺の発現にいたる脊椎漸増圧迫モデル動物の試作については、各種動物のうち家兎がもっとも適切であった。家兎の種々の成長過程において、胸椎部(T群;目標椎体Th8/9〜10/11),胸腰椎移行部(TL群;Th11/12〜Th12/L1),および腰椎部(L群;L1/2〜4/5)に単一椎間レベルでの椎弓・椎間関節切除を行い、以後定期的にレ線にて後弯角度を測定し、同時に麻痺の有無について考察した。T群においては、術後早期に前弯変形を来すものがあり一定の後弯進行傾向を認めなかった。TL群では、成長期、成熟期のいずれにおいても、術直後から後弯が進行した(4ヵ月で30゜前後)。L群の後弯進行は急速で、このうち術後2週45゜の1例に麻痺を生じた。以上より、緩徐な後弯進行という意味では、胸腰椎移行部を中心とした侵襲がもっとも適切と思われた。麻痺を呈したL群の1例に対して脊髄誘発電位を測定したが、著明な振幅低下と潜時延長を認めた。 2.水素クリアランス法にて測定した家兎の脊髄血流量は平均で32.5ml/min/100gであった。瀉血により血流量を漸減させた場合の脊髄誘発電位の変化は、血流量が20ml/min/100g以下になると最大上刺激では急速な、閾値の3倍(3T)刺激では緩徐な振幅の低下をきたすものが多かった。潜時は3T刺激のもので約50%に遅延を認めた。 3.L2とL3間で脊椎を牽引して脊髄血流と脊髄誘発電位を観察した。血流は一過性に増大するものが多く、電位は3T刺激ではやや遅れて振幅が増大する傾向があり、最大上刺激では振幅の低下が認められたが増大するものはなかった。潜時はともに直後より遅れ始めた。これらの事から脊髄機能変化の推定には、強度の異る刺激条件での観察が望ましいものと思われた。
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[Publications] 小林一朗: 中部日本整形外科災害外科学会雑誌. 29. 1701-1706 (1986)
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[Publications] 中島幹雄: 第68回 中部日本整形外科災害外科学会.
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[Publications] 小林一朗: 第2回 日本整形外科学会基礎学術集会.