1986 Fiscal Year Annual Research Report
活性型ビタミンDによるマクロファージの融合機構の解明
Project/Area Number |
60440086
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
須田 立雄 昭和大, 歯学部, 教授 (90014034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新木 敏正 昭和大学, RIセンター, 講師 (90138420)
宮浦 千里 昭和大学, 歯学部生化学教室, 助手 (20138382)
田中 弘文 昭和大学, 歯学部生化学教室, 助手 (30146899)
阿部 悦子 昭和大学, 歯学部生化学教室, 講師 (70119147)
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Keywords | 活性型ビタミンD / 肺胞マクロファージ / 融合 / トリグリセライド / OAF / 骨吸収 / DIF |
Research Abstract |
1983年、我々は活性型ビタミンD〔1α,25【(OH)_2】【D_3】〕がマウス肺胞マクロファージの融合を促進して多核巨細胞を形成することを報告した。更に、活性型ビタミンDがマクロファージの脂質代謝に影響(トリグリセリドの合成促進)を与えることも次いで報告した。今回、このトリグリセリドの合成がどのような意味を持つのかを他の薬剤と比較しながら検討した。その結果、(1)トリグリセリドの合成促進はリポポリサッカライド(LPS)やビタミンAなどのマクロファージ活性化因子においても共通に観察されることがわかった。(2)ビタミンAを前処置したマクロファージは活性型ビタミンDの添加によって速やかに融合すること、(3)活性型ビタミンDは特に、ジグリセリドからトリグリセリドの合成を行うジグリセリドアシルトランスファラーゼの酵素活性を上昇させる作用を持つことの3点が明らかになった。以上の結果を総合すると、活性型ビタミンDはマクロファージの活性化、引き続いて融合を引き起す作用を持っていると結論された。 活性型ビタミンDと並んで蛋白性骨吸収因子(OAF)の存在が古くから注目されていたが、今回、コンカナバリンAで処置したマウス脾細胞の培養〓液からOAFを精製し、その性質を明らかにすることを目的に実験を行った。培養〓液から数種の蛋白性因子を精製し、最終的にRaiszの系を用いて骨吸収活性を測定した所、細胞分化誘導因子(DIF)にその活性が見い出された。DIFはTNF(腫瘍壊死因子)活性やIL-1(インターロイキン1),CSF(コロニー形成促進因子)活性を持たないことから、これらの因子とは異なると結論された。また、DIFに単独では骨吸収活性を持たないCSFを添加するとその活性が上昇することが明らかになった。現在、DIFの種々の性質について検討中である。
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[Publications] Chisato Miyaura et al: Endocrinology. 120. (1987)
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[Publications] Etsuko Abe et al: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 83. 5958-5962 (1986)
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[Publications] Chisato Miyaura et al: Journal of Bone and Mineral Research. 1. 359-368 (1986)
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[Publications] Toshimasa Shinki et al: Journal of Bioclogical Chemistry. 261. 11712-11716 (1986)
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[Publications] Junichi Hosoi et al: Cancer Research. 46. 5582-5586 (1986)
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[Publications] Yoshiko Shiina-Ishimi et al: Biochem.Biophys.Res.Commun.134. 400-406 (1986)
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[Publications] Tatsuo Suda et al: "Bone and Mineral Research,vol4" Elsevier Sci.Pub. Amsterdam,New York,Oxford, 48 (1986)