1985 Fiscal Year Annual Research Report
血友病,フォンヴイルブランド病の局所止血法確立に関する基礎的,応用的研究
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60440091
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金田 敏郎 名古屋大学, 医, 助教授 (30022768)
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Keywords | 血友病A / フォンヴィルブランド病 / DDAVP / 第【VIII】因子凝固活性 / 酵素抗体直接法 / 口腔出血管理 / 抜歯 / 歯石除去 / ヘモグロビン / 唾液 / 口腔出血 / 第【VIII】因子関連抗原 |
Research Abstract |
【I】血友病A、vwd患者の口腔出血管理におけるDDAVPの効果についての検討、【◯!1】血友病A12例、v.w.d3例の口腔観血処置{抜歯19回(血友病A15回、v.w.d4回)及び、歯石除去3回(血友病A2回、v.w.d.1回)}にDDAVPを応用した。第【VIII】因子活性(【VIII】:C)は投与前の平均値は19.2%であったが、投与後1,2,6時間内で90.3%,75.6%,56%と有意に短縮した(P<0.05)。しかし24時間後には24%と投与前値に復してをり、DDAVP投与後1〜2時間では投与前値の2〜6倍と有意の上昇を認めた。同時に第【VIII】因子関連抗原(【VIII】R:Ag)の平均値は投与前1,2,6,24時間で、それぞれ111.8%,212.7%,201.6%,190.3%,153.6%と有意の上昇を確認した(PK0.05)。臨床応用でも抜歯時に補充療法や局所止血処置をおこなうことなく、良好な止血を得ることができ、DDAVP投与前の【VIII】:Cが10%以下の症例で応用可能なことが推測された。 【◯!2】DDAVP、epineplnintヒトに投与した前後の血管内皮細胞での【VIII】R:Agの局在を酵素抗体直接法を用いて光顕および電顕で検討した。【VIII】R:Agは内皮細胞の粗面小胞体、核周囲腔、大きな小胞、内皮細胞下基底膜に存在するが、投与30分後には内皮細胞には存在せず、基底膜に沿って存在していた。このことは【VIII】R:Agは口腔粘膜毛細血管内皮細胞でも生産され、血管収縮剤の投与によって基底膜側と血管腔内へ分泌していくことを確認した。 【II】高感度ヘモグロビン測定法の開発 唾液中に混在する微量ヘモグロビンを、シアンメトヘモグロビンの分子吸光係数の高い0.0、420nmの吸収ピークを用いることにより、通常のシアンメトヘモグロビン法の約10000倍の感度を有するヘモグロビン測定法を開発した。同時に今後臨床応用の基礎となる資料採取方法とその保存方法を決定した。すなわち採取には生食水3mlの15秒間含喇条件がよく、-30℃冷凍庫保存であれば24時間後の測定が可能であった。
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