1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60440093
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大沢 利昭 東大, 薬学部, 教授 (40012603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 芳郎 東京大学, 薬学部, 助手 (10134610)
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Keywords | T細胞ハイブリドーマ / マクロファージハイブリドーマ / リンホカイン / モノカイン / マクロファージ活性化因子 / 殺腫瘍細胞因子 / 抗体産生増強因子 |
Research Abstract |
昨年度までに樹立したヒトT細胞ハイブリドーマH3-E9-4よりマクロファージ活性化因子を超誘発する薬剤を検索し、コンカナバリンAが最もよい超誘発剤であることを見出した。そこで、H3-E9-6をコンカナバリンAと培養したのち、無血清培地と培養し、その培養上清を100倍に濃縮した濃縮上清(CS)をつくり、これから、ヒト単球活性化においてプライミングシグナルとしてはたらくMAF-C【I】と、トリガリングシグナルとしてはたらくMAF-C【II】を部分精製した。MAF-C【II】はマウスマクロファージをも活性化できた。次にCSを抗A375細胞モノクローナル抗体を結合させた免疫リポゾーム中にマウスガンマインタフェロンと共に封入し、A375癌細胞を移植したマウスに投与したところ、CS溶液を投与したときにくらべ1/1000のCS量でも効果的に癌細胞の増殖を抑制することができた。この結果は各種リンホカインの生体内投与にあたって、微量のリンホカインを標的細胞あるいは標的臓器にターゲッティングすることが極めて有効であることを示している。さらにヒトT細胞ハイブリドーマF4-2g-4より、ヒトマクロファージ様細胞株U937をPMAで刺激したときおこる【O(^-_2)】産生を著しく増強する因子MAF-Oを部分精製し、またmRNAを取得し、現在Okayama-Berg法によりcDNAのクローニングをすゝめている。ヒトマクロファージハイブリドーマを多数樹立することに成功したが、そのあるものは、癌壊死因子(TNF)とは抗腫瘍スペクトラムを全く異にする細胞障害因子を放出し、またあるものは抗腫瘍スペクトラムはTNFに類似しているが抗TNF抗体で中和されない細胞障害因子を放出した。自己免疫モデルマウスMRL/lマウスは自己免疫発症前に抗体産生を増強させる既知の免疫調節因子とは異なるリンホカインを産生することを確認し、このリンホカインは直接B細胞にはたらいて、B細胞の抗体産生を強化することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Takeda: Microbiol.Immunol.30. 143-154 (1986)
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[Publications] Y.Kobayashi: J.Biochem.100. 727-733 (1986)
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[Publications] D.Miyamoto: Mol.Immunol.(1987)
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[Publications] Y.Kobayashi: Immunology. (1987)
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[Publications] T.Ashiba: Int.Arch.Allergy appl.Immunol.(1987)
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[Publications] Y.Kobayashi: Immunology Letters. (1987)