1986 Fiscal Year Annual Research Report
アスパラギン酸プロテアーゼとその遺伝子の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
60440103
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 健治 東大, 理学部, 教授 (70011533)
|
Keywords | アスパラギン酸プロテアーゼ / プレペプシノーゲン / ペプシノーゲン / ペプシン / 遺伝子 / 塩基配列 / エクソン / イントロン |
Research Abstract |
1.ペプシノーゲンの構造と機能に関する比較生化学的研究の一環として、魚類(マグロ)、は虫類(スッポン)および両生類(食用ガエル)の胃ペプシノーゲンの分別、精製と性状の比較検索を進めた。マグロからは3種のペプシノーゲンを単離し、N末端域一次構造、ペプスタチン等の特異的阻害剤の影響等を比較解析した。この結果、3種のチモーゲンは、哺乳類のA型とC型ペプシノーゲンの中間的性状を有することが判明した。スッポンからは9種のチモーゲンを單離し、同様な解析から、2種はA型,4種はC型,3種はそれらの中間の性質を持つことを明らかにした。また、カエルからは4種のチモーゲンを單離した。 2.ヒト胎盤由来のDNAを用いてコスミドライブラリーを調製し、ラットプレペプシノーゲンCのcDNAをプローブにして、ヒトプレペプシノーゲンCの遺伝子DNAを單離、クローン化した。その塩基配列を分折した結果、本遺伝子は約10.7kbの長さを持ち、9個のエクソンと8個のイントロンから構成されていること、また、翻訳領域は総アミノ酸残基数388個をコードし、16残基のシグナルペプチド、43残基の活性化ペプチドおよび329残基のペプシン部分からなることが判明した。エクソンとイントロンの数および蛋白質の一次構造上でのエクソン・イントロンの境界の位置は、すでに本研究者らが明らかにしたヒトプレペプシノーゲンAの場合と完全に一致した。 3.上述のスクリーニングの際に得られたプレペプシノーゲンAクローンの詳細な制限酵素地図解折を行ない、2個の構造的に非常に類似した遺伝子が近接して連鎖していることを明らかにした。この両遺伝子は従来知られている遺伝子とも類似しており、ヒトのプレペプシノーゲンA遺伝子は少なくとも3個存在することが明らかとなった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] T.Kageyama: Journal of Biological Chemistry. 261. 4395-4405 (1986)
-
[Publications] T.Kageyama: Journal of Biological Chemistry. 261. 4406-4419 (1986)
-
[Publications] T.Hayano: Biochemical and Biophysical Research Communications. 138. 289-296 (1986)
-
[Publications] Y.Ichihara: European Journal of Biochemistry. 161. 7-12 (1986)
-
[Publications] K.Takahashi: Journal of Biological Chemistry. (1987)
-
[Publications] T.Kageyama: European Journal of Biochemistry. (1987)