1988 Fiscal Year Annual Research Report
アスパラギン酸プロテアーゼとその遺伝子の構造と機能に関する研究
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60440103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 健治 東京大学, 理学部, 教授 (70011533)
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Keywords | アスパラギン酸プロテアーゼ / ペプシノーゲン / 遺伝子 / cDNA / 一次構造 / site-directed mutagenesis / 活性化機構 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
1.ヒト胃よりペプシノーゲンAアイソザイム5種およびペプシノーゲンCを単離し、N末端85残基のアミノ酸配列を決定し、43位にLys/Gw,77位にLeu/Valの置換があることを明らかにした。また、これらのペプシノーゲンアイソザイム間で活性化速度、切断部位に差異があること、生じたペプシン間にも酵素的性状に顕著な差異があることを示した。さらに、アイソザイム5と3およびCの活性化機構を詳細に解析した。 2.マグロペプシノーゲン主成分の全一次構造を蛋白化学的手法で決定した。また、スッポンペプシノーゲンの全一次構造をcDNAの塩基配列決定により推定した。さらに、食用カエル食道より2種のペプシノーゲンを純粋に精製し、諸性状を比較検索するとともに、N末端域数十残基の一次構造を明らかにした。 3.クロコウジカビAspergillus nigerの産生するA型酸性プロテイーゼの全一次構造(209残基)を決定するとともに、Scytalidium lignicolumの酸性プロテアーゼAの部分構造を決定した。この結果、これらの酵素はペプシン型酵素とは全く別な群に属することが推定された。 4.ブタペプシノーゲンの活性部位アスパラギン酸2個のいずれか、および両者を部位特異的突然変異導入法(Site-directed mutagenesis)によりグルタミン酸に変換し、活性発現能が完全に失なわれることを示した。 5.ラットペプシノーゲンCのcDNAをプローブに用い、ヒトペプシノーゲンC遺伝子が染色体No.6上に存在することを示した。 6.モルモット胃よりペプシン産生細胞を分離し、胃の各種細胞の中で、ペプシン産生細胞中のペプシノーゲン遺伝子のみが顕著な低メチル化状態にあることを示した。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] M.Ichinose: Cancer Research. 48. 1603-1609 (1988)
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[Publications] M.Ichinose: Biochemical and Biophysical Research Communications. 151. 275-282 (1988)
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[Publications] N.Tsukagoshi: Gene. 65. 285-292 (1988)
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[Publications] M.Ichinose: Biochemical and Biophysical Research Communications. 155. 670-677 (1988)
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[Publications] M.Tanji: European Journal of Biochemistry. 177. 251-259 (1988)
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[Publications] O.Matsuzaki: Biomedical Research. 9. 515-523 (1988)
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[Publications] T.Kageyama: The Journal of Biochemistry. 105. 15-22 (1989)
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[Publications] T.Ishihara: Journal of Biological Chemistry. (1989)
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[Publications] K.Takahara: Cytogenetics Cell Genetics. (1989)
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[Publications] S.B.P.Athauda: European Journal Biochemistry. (1989)