1985 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格関連カルモデュリン結合蛋白質の生理機能に関する研究
Project/Area Number |
60440104
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
祖父江 憲治 大阪大学, 医, 助教授 (20112047)
|
Keywords | カルデスモン / アクチン / ミオシン / カルモデュリン結合蛋白質 / ミオシン軽鎖キナーゼ / 微小管付属蛋白質 / チューブリン / 細胞骨格 |
Research Abstract |
細胞機能発現の物質的基盤として、細胞骨格蛋白質群の関与が注目されるようになり、またその【Ca^(2+)】制御系の解明は、細胞現象の分子機作解明につながるものとして注目されている。われわれは、細胞内【Ca^(2+)】mediatorの代表的蛋白質であるカルモデュリンを介した細胞骨格制解系の解明に注目し、以下の結果を得た。 1)カルモデュリンの標的の1つであるカルデスモン(150K)の生理機能を解明した。すなわち、アクチン-ミオシン相互作用において、アクチン側制御殊にトロポミオシン依存性アクチン-ミオシン相互作用をカルデスモンが制御していることを明らかにした。 2)カルデスモン抗体を用いた組織検索の結果、低分子型のカルデスモン(カルデスモン77)が存在することを発見し、この蛋白質の分離・精製に成功した。さらに、このカルデスモン77は副腎髄質アクトミオシン系において、前述のカルデスモン150同様アクチン-ミオシン間のアクチン側制御因子であることを明らかにし、その組織分希などから考えて、非筋肉組織に普偏的に存在するアクチン側制御因子であることを示唆した。 3)やはりカルモデュリンの標的である135K蛋白質(ミオシン軽鎖キナーゼ,MLCK)の新しい機能として、ミオシン軽鎖を二重リン酸化することを見い出した。この二重リン酸化により、アクチン-ミオシン相互作用は著明に増強されることを示し、1)のカルデスモンによるアクチン側とMLCKによる二重リン酸化を介したミオシン側の両側によりアクチン-ミオシン系が制御されていることを明らかにした。 4)微小管は属蛋白質であるMAP2やタウ因子が、微小管・アクチンフィラメント間で、【Ca^(2+)】・カルモデュリン依存性にフリップ・フロップ型の制御を受けていることを見い出した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 82-15. (1985)
-
[Publications] Biochem.Biophys.Res.Comunn. 132-2. (1985)
-
[Publications] J.Biochem. 97-6. (1985)
-
[Publications] Biochem.Biophys.Res.Comunn. 31-2. (1985)
-
[Publications] Biochem.Biophys.Acta.845-3. (1985)