1988 Fiscal Year Annual Research Report
選択的・可逆的アフィニティラべルを用いたミオシン双頭の構造的・機能的差異の研究
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60440107
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
太和田 勝久 九州大学, 理学部, 助教授 (20029507)
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Keywords | 筋肉収縮 / ミオシン / 双頭構造 / ミオシンサブフラグメント1 / ATPアーゼ / 活性部位 / 不均一性 / ADP親和性カラム |
Research Abstract |
ミオシン分子は2つの頭部から成る。ミオシン双頭が互いに異なるのか同一なのかを決定し、ミオシン双頭構造の生理学的機能を解明するのが本研究の最終目的である。ミオシンを蛋白分解酵素で限定分解することにより、ミオシン頭部のみを切りだし調製する事が出来る。それをミオシンS1と呼ぶ。キネチックスと高分解能ADP親和性カラム法を用いた我々の以前の研究1)を取ることが判っている。しかし、ミオシンにはその重鎖の蛋白構造互いに異なった2種類のものが存在するという他の研究者による報告もある。それを示している最も強い証拠は、ミオシンのTNBS(リジン残基の特異的修飾剤)による修飾実験の結果である。つまり、ミオシン上にTNBSで素早く修飾されるリジン残基が1個あり、Mgppiの存在下ではその数は半分になる、という報告である。これと、上記の我々の結果との関係を調べるために、このTNBS反応を精密に計測し解析することが出来るシステムを分光光度計と計算機を組み合わせて作り、TNBS修飾反応を解析した。その結果、Mgppi中だけでなくMgADP存在下でも同様にミオシンS1の半分のみが高反応性リジンの修飾を受けることを見いだした。修飾後のATP分解活性の解析から、EDTA-ATPase活性の異なる2種類のS1が存在することが示唆されている。これらの結果は、MgADPに対する結合様式の異なる2種類のS1が存在していることを意味する。現在、TNBS修飾反応の違いを指標にしてこれらの(推定されている)2種類のS1をクロマトグラフィーで分画することを試みている。それらとミオシン1分子の双頭との関係を近に将来に解明したい。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kawamura,T,W,Higuchi,Y.Emoto,K.Tawada: Journal Biochemistry. 97. 1583-1593 (1985)
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[Publications] Emoto,Y;T,Kawamura;K,Tawada: Jourmal of Biochemistry. 98. 735-745 (1985)
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[Publications] Emoto,Y;T,Kawamura;K,Tawada: Journal of Biochemistry. 103. 172-176 (1988)
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[Publications] Komatsu,H;Y,Emoto;K,Tawada: (1989)
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[Publications] Huang,Yi-P;M,Kimura;K,Tawada: (1989)
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[Publications] Huavg,Yi-P;M,Kimura;K,Tawada: (1989)
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[Publications] Tawada,K;T,Kawamura;Y,Emoto 共著: "Energy Transduction in ATPase (Eds.Mukohata et al)(Title:Evidence for active site heterogoneity in SH-modified heauy-meromyosh as revealed by the inhibition study with vanadate pl" Yamada science Fouvdation, 630 (1988)
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[Publications] Tawada,K;Y,Emoto;Yi-P,Huang 共著: "Muscle Enagetics Eols,Paul,R.and H.Yamada" Alan,R,Liss, (1989)