1985 Fiscal Year Annual Research Report
RNAポリメラーゼの機能変換による転写調節モデルの検証
Project/Area Number |
60440108
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
石浜 明 国立遺伝学研究所, その他, 教授 (80019869)
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Keywords | RNAポリメラーゼ / 転写因子 / プロモーター / 酵素機能制御 / 転写調節 / 大腸菌 |
Research Abstract |
遺伝子の転写がRNAポリメラーゼの機能変換に伴なう転写信号識別能の変化によって調節されると考えた仮説を実証する目的で以下の研究を展開した。 1.大腸菌各種遺伝子のクローンより転写開始信号プロモーターを含むDNA断片のコレクションを作成し、それらの混合物を鋳型とした試験管内転写反応によって生産物RNAを、個別に定量することによってプロモーター強度を測定する系を開発した。 2.この混合転写系を用いて、大腸菌より単離精製したRNAポリメラーゼの識別するプロモーターの強度順列を決定した。プロモーターの強度は、RNAポリメラーゼとの結合親和性(強度指標【I】)と、プロモーター域のDNA局所開鎖速度(強度指標【II】)によって決まり、プロモーター毎に個有の強度指標を示すことを明らかにした。 3.RNAポリメラーゼを構成するサブユニットの遺伝子に変異を生じた大腸菌から得た酵素のなかに、プロモーター選択能が変化したものを発見した。この結果から、プロモーター選択識別に関与する酵素蛋白上の領域を推定した。 4.シグマサブユニットの交換で、プロモーター選択能が大きく変動することを実証した。標準【σ^(70)】をもつ酵素と、熱ショック時に作動する【σ^(32)】をもつ酵素を純化し、それらの比較によってなされた。 5.RNAポリメラーゼが、【_(pp)G_(pp)】や特異tRNAなどのヌクレオチド性転写因子と結合すると、プロモーター選択能が変動することを実証した。 6.RNAポリメラーゼに結合する蛋白のコレクションを作成した。これら蛋白との相互作用に伴なうRNAポリメラーゼの機能変換 解析をはじめた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.Biol.Chem.260-11. (1985)
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[Publications] Nucleic Acids Res.13-21. (1985)
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[Publications] Nucleic Acids Res.13-24. (1985)
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[Publications] Mol.Gen.Genet.201-1. (1985)
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[Publications] Mol.Gen.Genet.203-1. (1986)