1986 Fiscal Year Annual Research Report
RNAポリメラーゼの機能変換による転写調節モデルの検証
Project/Area Number |
60440108
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
石浜 明 遺伝研, その他, 教授 (80019869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 信之 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助手 (90173434)
福田 龍二 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助教授 (60027331)
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Keywords | 転写調節 / RNAポリメラーゼ / 転写因子 / プロモーター / 熱ショック / 緊縮制御 / 大腸菌 |
Research Abstract |
遺伝子の転写がRNAポリメラーゼの機能変換に伴なう転写信号識別能の変化によって調節されると考えた仮説を実証する目的の研究を展開し、以下の成果を得た。 1.先に、われわれが開発した「試験管内混合転写系」を利用して、大腸菌各種遺伝子のプロモーター強度を測定した。転写信号強度を、多数の遺伝子で相互に定量的に比較した研究は従来なかった。 2.転写装置RNAポリメラーゼ構成要素のなかでRNA合成活性中心のあるβサブユニットに注目し、蛋白上の機能部位のマッピングを行った。アミノ酸置換変異コレクションを用いて、変異RNAポリメラーゼの変異機能の分析から、プロモーター認識に関係したドメイン、緊縮制御因子ppGppとの相互作用に関係したドメイン、転写開始因子シグマの結合に関係したドメインを同定した。 3.熱ショックで誘導されるシグマ因子(【α^(32)】)をもつRNAポリメラーゼを純化し、そのプロモーター識別能が、正常時の酵素と全く異なることを実証した。大腸菌プロモーターは、特定のシグマ因子をもつRNAポリメラーゼでだけ転写される、厳密な対応関係があると推定された。 4.熱ショック遺伝子の転写に関与するシグマ因子(【α^(32)】)の遺伝子の発現を解析し、熱ショックによって転写・翻訳が同調して昂進し、【α^(32)】が増産されることを明らかにした。なお、遺伝子にはふたつの主要なプロモーターがあるが、その一方が熱ショックによる転写上昇に関与していた。この系でもプロモーターの分業が証明された。 5.RNAポリメラーゼと特異的に相互作用を示す転写因子のひとつ、SSP遺伝子の構造と発現様式を解析した。アミノ酸飢餓時の制御の解明を進めている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Glass,R.E.: Molecular & General Genetics. 203. 265-268 (1986)
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[Publications] Glass,R.E.: Molecular & General Genetics. 203. 487-491 (1986)
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[Publications] Glass,R.E.: Molecular & General Genetics. 203. 492-495 (1986)
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[Publications] Nomura,T.: Nucleic Acids Research. 14. 6857-6870 (1986)
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[Publications] Tachibana,H.: Nucleic Acids Research. 13. 9031-9042 (1986)
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[Publications] Fujita,N.: Journal of Biological Chemistry. 262. 1855-1859 (1987)
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[Publications] Ishihama,A.: "Adv.Biophys.Vol.21"Genetic Systems"" Japan Scientic Societies Press,Tokyo Elsevier,Limerick, 296 (1986)
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[Publications] Ishihama,A.: "RNA Polymerase and the Regulation of Transcription" Elsevier Science Publishing Company,New York, (1986)