1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60450056
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
那須 清 北九州大, 外国語学部, 教授 (90038381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 徳新 北九州大学, 外国語学部, 教授
渡辺 茂彦 北九州大学, 外国語学部, 助教授
服部 昌之 北九州大学, 外国語学部, 教授
望月 八十吉 北九州大学, 外国語学部, 教授
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Keywords | 中国語 / 音調 / 強勢 / 実験 |
Research Abstract |
1.昭和60年度の後半から61年度にわたって、中国における音響学的研究の資料が比較的大量に公表され、またこれまで入手不能であった'80年代初期の実験的研究の資料も入手することができた。それらを検討した結果、本研究が当初計画していた、通常の自然な発話におけるプロソディーの音響学的研究が、中国でも進められつつあること、また測定結果を合成音声の聴取実験によって検証する作業が行われていることが判明した。 2.本年度においては、昨年度に引続き音声資の測定を進める一方、上記中国側の研究結果および従来発表されてきた主観的観察に基く研究を整理し、音響学的測定結果と言語情報伝達との関連性の中で、プロソディーがいかなる形によってその役割りを果たしているかという点を主として考察し、中国語のプロソディー体系を立てるための基礎的研究を行った。その中、主として強勢に関する部分を「中国語のプロソディー」としてまとめ公表した。 3.語強勢に関して、従来とりあげられていない次のような現象について測定し、ほぼ事実を確認した。 (1)軽声を含まない2音節語は一般に〔中・強〕型であるが、リズム強勢の影響を受けた場合、〔強・中〕型に変化する。 (2)軽声を含まない3音節語は、一般に第2音節が弱、第3音節が強であるが、このような原則から外れ〔強・弱・中〕及び〔中・強・強〕となる語が存在する。これは語の文法構造または声調排列によるものである。 4.文強勢・音調に関してもいくつかの、従来注意されなかった事実を確認したが、これらは測定データを整理中で、62年度に発表の予定である。
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