1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60450065
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福永 有利 北海道大学, 法学部, 教授 (80067595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻田 嘉章 京都大学, 法学部, 教授 (10109407)
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Keywords | 国際民事訴訟法 / 国際証拠法 / 法廷地法主義 / 証拠方法の制限 / ディスカバリー / 証言拒絶権 / 外国法の証明 |
Research Abstract |
昨年度は、本格的な研究のための準備作業にかなりの時間を取られたが、そのような作業をしておいたお陰で、本年は実質的な研究に打ち込むことができ、かなりの進展がみられた。 まず第一に、本研究課題は、わが国では、これまで全くといってよいほど研究がなされていなかった分野であるため、そもそもどのような問題があるのかということ自体が明らかでなかったが、「手続は法廷地法による」という原則を徹底的に検討し直すという課題のほかに、少くともつぎに揚げるような具体的な問題があることがわかった。すなわち、1.フランス法や英米法にみられる証拠方法を書証に限定する制度の牴触法上の取扱い。2.アメリカ法のディスカバリーの牴触証拠・証明法上の取扱い。3.証言拒絶権の牴触法上の取扱い。4.外国法の証明に関する問題。5.ハーグ国際私法会議第14会期やEC契約債務準拠法条約等における証拠・証明関連事項についての研究がそれである。 上記の具体的問題のうちの1および5の一部については、すでにほぼ研究を終り、民事訴訟法学会関西支部の民事訴訟法研究会において、「証拠方法に関する外国規定の渉外訴訟における適用」というテーマで研究分担者両名が研究報告を行い、出席者から有益な助言を得ることもできた。このテーマについては、論文として公表したいと考えており、「法学論叢」に掲載を予定している。 なお、昨年度一応書き上げていた「D.ケスター・ヴァルティエン著・国際証拠・証明法」の紹介論文を全面的に見直し、分量も当初のものより倍増して公表した。
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